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Arousal of NPC‘s  作者: ネコのうた
Chapter 2/二番目の国
102/129

№102 オアシスでの攻防戦・急

ガンナー(銃士)のスイ”が[銅製のライフル]で撃った弾丸が、“魔人少年”の左肩に当たる。

【ストップムーブ】を付与していたらしく、男子は宙に浮いたままで止まった。

とは言え、〝封じられるのは移動のみ〟なので、少年が左手で【魔法陣】を構築しだす。

しかし、“武闘家のサイザー”が間合いを詰めるなり[ハリケーンナックル]の右拳で、男子の左脇腹を殴る。

これによって【マジックサークル】が消えた少年へと、“武士のソリュウ”が[刀]を突き出す。

その[小竜景光(こりゅうかげみつ)]は、今度こそ男子の胸元に刺さった…。

一方で、“剣士のシューラ”と“アサシンのシエル”は、“魔人少女”に翻弄されている。

苦戦を強いられる二人の背後から、

「挑発!!」

との声が聞こえた。

女子は、シューラ&シエルを無視して、その【スキル】を発した人物に向かいだす。

これを二人が目で追ったところ、“褐色肌の女性指揮官”の右隣で、“リーダーのシリウス”が[大楯]を構えていたのである。

どうやら、襲ってきていた魔物たちを片付けたらしい。

このような状況にて、シリウスへと接近した少女に、

「一点集中!」

“騎士のサーガ”が[銅の両手剣]を繰りだした。

それが腹部に直撃した女子は、1Mほどノックバックする。

しかも、【クリティカルヒット】になったようで、空中から落ちた少女は、砂地に右膝を着いた。

これを、シューラとシエルが仕留めに掛かる……。

その頃、負傷しながらも再び攻撃を躱していた男子の右肩に、“アーチャー(弓術士)のサザミン”による[矢]が刺さった。

【混乱】を用いていたらしく、少年が宙で〝ぼぉー〟っとしだす。

こうした男子の胸元で、“黒魔術士のソソ”が放った【エクスプロージョンボール】が爆ぜた。

それによって、少年が崩れ落ちる。

ここを攻めるは、ソリュウ&サイザーだった…。


“魔人コンビ”が粒子になってゆくなか、“女隊長”が立ち上がる。

そんな彼女の頭に[金色のダイヤマーク]が現れた。

シリウスが代表して、

「クエスト達成って事で、いいんだよな?」

このように訊ねる。

それによって、

「おかげでオアシスを取り返せた。」

「感謝する。」

会釈した指揮官が、

「これをギルドで渡せば報酬が貰えるから、持って行ってくれ。」

丸めた形状にて紐で縛った[用紙]を差し出してきた。

「おう。」

受け取ったシリウスは、

「じゃ、王都に帰るか。」

[画面]を操作していく……。


都の[中央広場]にて。

「お。」

「町中でも、体とかに付着していた砂は無くなるんだな。」

ふと述べたサイザーに、

「ほんとだね。」

ソソが頷く。

こうしたところで、

「ひとまず、喉が渇いたから、水、飲ませて。」

そのように告げたシエルが[アイテムボックス]を開くと、誰もが「俺も」「私も」と続いた。

この流れにて、

「あ。」

「“契約の書”を新たに入手してたみたいだから、今、そっちに送る。」

シリウスが“召喚士のサキ”に伝える。

内容を確認したサキは、

「ふむ。」

「オスの“ディザートポイズンスコーピオン”だね。」

そう呟いた。

翻訳すると“砂漠の毒サソリ”だ。

さておき。

〝ん~ッ〟と考え込んだシューラによって、

「ディズオン。」

こう名付けられたのである。

何はともあれ。

「それじゃぁ、ギルドに赴くとすっか。」

そのように提案したシリウスが、改めて【瞬間移動】を扱う。

ちなみに、[Team(チーム) S(エス)]は、全員が1つずつレベルアップしていた…。


[ノースウエスト(北西)ギルド]で、金貨110枚が入れられた[革袋]をゲットする。

これを、シリウスが分配していった。

「……、ここには、現在、クエストがないんだったら、別のギルドを訪ねてみる??」

そうスイが窺ったら、

「いや、あっちの世界は、そろそろ夜の九時になるから、今日は、もう、宿屋に泊まって、ログアウトしよう。」

このようにシリウスが意見する。

異論がなかったことで、まずは歩いて建物から外に出る[Team S]であった…。



小一時間が経っている。

ゲーム内はPM13:29で、現実はPM21:59あたりだ。

[北の港町]に、ヤトたちの姿があった。

そこの[塩屋]で報酬を得た“武士のヤト”が、

「あっぶねぇー。」

「クエストの期限まで残り1分、ギリギリだったぁ。」

「良かったな、間に合って。」

笑顔で仲間に話しかける。

“シールダーのクマッシー”に“精霊術士のエイト”が〝ニコニコ〟するなか、

「ん。」

「だな。」

「じゃ、オレは、これで。」

“戦士のニケ”と、

「私もあっちに戻るわ。」

「バイバイ。」

“弓術士のカリン”は、無表情で【ログアウト】した。

「本当にどうしちまったんだ?」

「あの二人。」

首を傾げるヤトに、

「つ、疲れたんじゃないかな??」

「ニケもカリンも、モンスター相手に、すっごい暴れ回っていたから。」

「後で、ニケには、僕が連絡しとくよ。」

クマッシーが話しかけ、

「カリンは、私に任せて。」

こうエイトが告げる。

「そっか?」

「だったら、ついでに、明日の集合時間も伝えといてくれよ。」

ヤトが頼んだところで、

「来るかしら?? 二人とも。」

「あの様子だと、怪しいんじゃない?」

そう疑問視する“(しのび)のセブン”だった―。


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