№101 オアシスでの攻防戦・破
5体ほどのモンスターを倒した[Team S]が、前線に上がっていく。
そこでは“褐色肌の女性指揮官”が“魔人コンビ”に追い詰められていた。
魔人は、“オールバックの男子”が[大剣]を、“ベリーショートの女子”は左手に[パタ]を装備している。
パタというのは[拳の外部を覆う篭手のような形状の装甲に剣身が取り付けられている武器]だ。
これらによる攻撃を、鎌形の剣身といった[ケペシュ]で、どうにか防いでいた“女隊長”ではあったものの、ついには斬られたり刺されたりして負傷し、
「くッ!」
片膝を着いた。
そうした女性指揮官に、魔人達が更に襲い掛かろうとする。
しかし、右側の魔人少年に“ダクドニア”がクチから【火の玉】を飛ばし、左側の少女には“メラービ”が迫って、阻んだ。
男子に当たった【ファイヤーボール】が燃えるなか、向かい来る[針]を女子が躱す。
このタイミングで、“武闘家のサイザー”が少年を、“アサシンのシエル”が少女を、攻めてゆく。
女隊長を護るべく、その正面に立った“騎士のサーガ”が、振り返って、
「後ろ!!」
こう伝えた。
“シールダーのシリウス/召喚士のサキ/白魔術士のセイラン/黒魔術士のソソ/アーチャーのサザミン/ガンナーのスイ”が急ぎ確認したところ、5数のモンスターが近づいてきていたのである。
「ソソ! サザミン! スイ! なんでもいいから魔法やスキルを使ってくれ!」
「サキとセイランは防御を!!」
そのように指示したシリウスが最後尾へと走っていく。
が。
重装のため、砂に足を取られ、スピードは遅い。
こうした間に、“武士のソリュウ”がサイザーに、“剣士のシューラ”がシエルに、それぞれ合流した。
とは言え、浮遊して動き回れる魔人たちのほうが有利だ。
シューラなどが手こずるなか、タイムリミットを迎えた“全サーヴァント”が消える。
後方では、サザミンが扱った【スプリットアロー】にて、十本に分裂した矢の悉くが、“|ディザートビッグリザード《砂漠の大トカゲ》”にヒットした。
ほぼ同時に、スイによって【ストップムーブ】を付加された弾丸が“サンドグラスホッパー”に命中する。
ソソが放った【雷の玉】は、“|ディザートポイズンスコーピオン《砂漠の毒サソリ》”に直撃した。
これでヒットポイントが削られるのと共に痺れたサソリへと、シリウスが[銅製のスクラマサクス]を振るう。
そうしたシリウスの両脇を“サンドクラブデビル”と“|ディザートウィーヴィル《砂漠のゾウムシ》”が通過する。
サザミンが逸りそうになるのを抑えつつ射った【コンフュージョンアロー】が、蟹の左目に刺さった。
これで【混乱】に陥った蟹は、ゾウムシへとATTACKしだす。
一方、最前線にて。
宙でヒット&アウェイを行なう魔人コンビに、シューラ達は翻弄されている。
そういった状況で、“魔人の少年少女”が【マジックサークル】を構築しだす。
これによって、ほんの1秒ぐらいではあるが、コンビの動きが止まった。
そんな“男子と女子”に向かって、シューラなど4名が走っている。
こうしたところで、“魔人の男子”による直径30㎝の【爆発の玉】がソリュウに、女子の最大幅10㎝×長さ30㎝といった【三日月状の風】がシューラに、当たった。
2人は、ダメージを負いながら、ふらつく。
その最中、魔人たちが距離を取ろうとしだす。
だが、パーティー内で【素早さ】の数値が高いサイザー&シエルが詰める。
サイザーの【正拳突き】にて、男子は怪我しながら、1M程ノックバックした。
女子のほうは、シエルが[銅のサイフォス]で切り付け、【麻痺】させる。
ちなみに、サイフォスとは[両刃の片手直線型ショートソード]だ。
とにもかくにも。
シューラが、少女に【二連突き】を用いた。
ここから、シエルも協力して、攻撃してゆく。
少年のほうは、サイザーへと[グレートソード]を払う。
「ぬおッ!」
咄嗟に、ボクサーみたいにガードするサイザーではあったが、その左籠手に[大剣]が当たり、
「ぐッ!!」
右へ〝ズザザッ〟と横滑りする。
そうしたサイザーの左隣に上がってきたソリュウが、[刀]で魔人男子を刺しに掛かった。
が。
やや動作が重かった所為で、〝ヒラリ〟と避けられてしまう。
「ぬぅ~ッ。」
「砂が厄介よのぉ。」
ソリュウが眉間にシワを寄せたところで、スイが発砲した[弾丸]が少年にヒットするのであった―。