表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/105

第2話 ????との対話 その2 

謎の存在と謎の空間で対話する主人公。

謎の存在は自分は神ではない、と言っております。


じゃあ何なんでしょう?


では、どうぞ。

 「あ、ごめん。何か勘違いさせちゃって。神じゃない神じゃない。ゼンチゼンノー?じゃないし転生を司ったりとかは特にしてない。」


 オイオイオイオイ、アンタ転生神じゃないのかよオイ。


 てことは生き返らせてくれるパティーンかね?


 「いや、生き返らせるのも無理。君の場合は。」

 「え、何故?何かすんごい超越存在っぽい雰囲気出してるじゃないですか?簡単に人の一人くらい生き返らせそうな。」

 〇い玉シリーズの最後の星人みたいな。

 「あんな顔クルクル変わってないし、血の涙流させてないでしょ。」

 「外見だと、無〇転〇のヒ〇ガ〇みたいに見えますけど。あいつは確かに死んだ人生き返らせたりしてませんね。」

 「あんな根性曲がりな存在じゃないからね。だいたいね、見た感じって、今君が見てるこの姿のイメージって、君がイメージしてるもんだからね。」

 「さっき股間蹴りの時、何か自分の姿解ってる感じで、これが私だ!バーン!って物言いだったじゃないですか」

 「君のイメージにお邪魔してるからさ。君の僕に対するイメージはわかる(・・・)んだよ。さっき考えを読んでるとか思ってたじゃん?」


 んー、ノリはいいんだが、肝心なことはさっぱり言わない。何つーか、生殺し。いけず。


「いや君が自分語りしてたりしたから話進まないんだけどね。楽しいけど。」

 さいですか。おっさん老化の愚痴いえる友人が少ないからつい嬉しくなっちゃったんですよ。職場は女性が多いから、おっさんの老化の愚痴なんかまったくもって興味持たれず共感もされないんで。

 「そーだね、君の時代地域では女性って愚痴は言うけど男性の愚痴は聞いてくれない傾向はあるよね。まあ性差で語っちゃいけないだろうけど。愚痴を言う男性も大勢いるし、愚痴を聞いてくれる女性もいるし。人それぞれ、職場それぞれだよね。」

 また話がそれた。

「いや、君が持ち出した話題だからね。」


 これでは話が進まないな。

 俺の考えてることにまで反応されると、どんどん話がそれてしまう。

 言葉に出した内容で返答してもらうように提案しようかな。

 「そうしようそうしよう。でも厳密に言えば魂だから声を出して話してる訳じゃないけどね。」

 「いやいやそうでしょうけど早速それってどうなんですか?」


 「じゃあ仕切り直し。何か聞きたいことある?君が明確に伝えたいということ、要するに君の感覚の話し言葉で問われたことにだけ答えることにするから。」

 うーん。

 疑う訳じゃないが、本当に言葉に出したことだけ答えてくれるのかな。

 

 ・・・


 明智光秀は何故、本能寺の変を起こしたのですか?


 ・・・


 神様仏様稲尾様、この中で人間は誰?


 ・・・


 引っ掛からないか。


 あ、何か表情とか全然わからないのに呆れた雰囲気になってるのすげーわかる。


「いやごめん。何か試したくなる気持ちもワカランでもないけどね。下らないことばっかり考えるの止めて? ・・・(てんてんてん)のところでチョー下らない、バーカカーバチンドンヤおまえのかーちゃんでべそって子供同士の罵り言葉って今の子供も言うのかな?とかさ・・・何か君いい歳の大人だったんでしょ?」

 本当にすいません! いやでも子供同士の罵り言葉は気になるけどね。今もあるなら年上の子供から年下の子供へ連綿と脈々と保育園幼稚園公園で、子供が集まる場所で継承されてるってことだから。途切れてなければレガシーだよ。

 あ、また呆れ雰囲気。


 改めて。

 「俺は死んで、今魂だけになってる、ということでいいんですね?」

 「そう。君は今魂だけの存在だよ。」

 「で、あなたはどんな存在なんですか?」

 「私も多分、魂。超越的な存在ではないよ。」

 「その割には床から生えてるし。前の世界のラノベに出てくる転生を司る神的な感じで、同じ魂って気がしないんですが」

 「うん、君は純粋に魂、で、私はある世界でまだ生きている存在の魂なんだよ。少なくとも君と同じように気づいてたら死んでた、というパターンじゃないと思う。私が気づかないうちに私が死ぬ、って事態は無い事は無いけど、その場合私だけでなくもっと多くの生命も一緒に死んでるだろうから。

 私の存在する世界の私の体は今眠っているんじゃないかな、と思う。夢の中で君の魂に接触してるんだろうね。」

 「おお、性別不明な外見なのに一人称が『私』になるとグッと女性っぽく。幽体離脱でランデブーですね。」


 オトコの夢の中ってよりは女性の夢の中の方が何となくウレシイ。心なしかペ〇シマンの胸部が膨らんでいるような?そんなこたないな。


 「いや、君、ホント話そらすよね。多分女性に好意持たれても関係壊すの怖いから、女性からそれっぽい話が出たり雰囲気になったりしそうになると必死で話そらしてた過去絶対あるよね。それが習い性になって気安い関係だと場面、性別、関係なく出るっていうさ。」

 「まだ腹が出ていなかった30過ぎまでは確かに、うん・・妻と結婚できたのが我ながら快挙です。結婚後はまかり間違って妻以外の女性といい雰囲気になりそうだった時に必死で回避した自分を妻に褒めてもらいたかったのですが、そんなことを言い出そうものなら何されるのかわからんのでその事実は伏せておりました」

 「そこは否定しなよ。って言ってもわかっちゃう(・・・・・・)からなあ。」


「話を戻すよ。不思議に思ったことない?生命ってどうして生きてるんだろうって。

 蛋白質、脂質、水、ミネラルの集合だよ?何億何兆何京と混ぜ合わせたり成形したら偶然できてもいいんじゃないかって。

 君がいた世界の最初の生命はそうやって原初の海の中で揉まれて誕生したんだろうけど。」

「確かに不思議ですね。」

「つまり単純に物質に魂が宿れば生命になるんだよ。君の前にいた世界の人、動物、植物、昆虫、細菌、全てにね。生体から切り取った細胞が生きてるって場合も、その細胞に元の生体と別の魂が宿れば生きる、宿らなきゃ死ぬ、って具合さ。」

「なるほど。ips細胞の培養が成功した場合は魂が宿ってて、失敗したら宿らなかったと」

「そういうこと。で、地球で最初の生命の魂はどこから来たのか?というと、まあどこか他の世界からだろうね。」

「他の世界って、他の地球以外の星ですか?」

「地球以外の星かも知れないし、太陽系銀河系のあったビッグバンで膨張を続けるあの宇宙の世界とは全然別の世界かも知れない。」

「平行世界ですか?」

「あの宇宙の平行世界かも知れないし、あの世界とは全く違う物理法則の世界かも知れない。世界も数が膨大でね。少なくとも物語の数だけの世界があるよ。」

「え、そんなに?」

「そう。そういう世界があるから何らかの啓示を受けて物語を作るのか、想像の翼を羽ばたかせて書いた物語が世界を創造するのか、それは解らないけどね。」

「〇い玉の世界も?」

「あるよ」

「六〇世界も?」

「あるよ」

「ア〇セルの街やア〇シズ教の聖地ア〇カ〇レ〇ィアがある世界も?」

「あるよ」

「やる夫スレの名作、〇宮〇爵の世界も?」

「あるよ」

「平〇和正先生の幻〇大戦の世界も?」

「あるよ。無印、真、新、マンガ版、石ノ森版、全部あるよ」

「クトゥルー神話の世界も?」

「あるよ。ラブクラフト、ダーレス、菊池秀行、作家ごとにそれぞれに。シェアワールドはシェアワールドどして」


 あるのか~、行きたくねえなあ・・・

 特にラブクラフト大先生の世界って、色彩が付いてるのが異次元色のとこだけで、あとは陰鬱なモノトーンって感じなんだよなぁ。古き者どもに遭うまえに鬱で死にそう・・・


 「物質を生命にする元が魂。魂の数はどれだけあるのか見当もつかないね。

 無量対数だよ。

 でも世界の数も膨大で、一つ一つの世界の生命の数も膨大。

 だからのんびりどこかに魂が留まるなんてことはない。普通は魂って生命が死を迎えたら、その生命の存在した世界の法則に従って素早く世界を抜けて、世界を抜けた瞬間元いた世界の記憶とか初期化して、すぐ次の世界のどっかの生命として宿るんだよ。

 世界を選んだり記憶とか知識とか持ちこすなんてことはないんだよね。」

 「まあそうなんでしょうね」

 「だってさあ、仮に記憶が残って転生先選べなかったらさ、王様とか魔王だった魂がね、ゾウリムシとか柿の木とか耐えられないと思うのさ。

 一度知的生物になってたらさあ、食べることしか考えられない単細胞生物とか、考えててもわかんないけど長寿で動けない植物とか。

 植物になって喜ぶのって吉〇〇影の魂くらいだよきっと。まあ転生したら前の記憶初期化されるから、吉〇だったこと憶えてない筈だけどね。」

 「あー、トレントとか植物の魔物って言われる存在って、うっすら記憶残してるのかも知れないですね。」

 「いやどうかな~?あれはああいう生物としてその世界に発生してるんじゃないかな?記憶を残した魂がトレントになりやすいってことだと、君はどうしてこうなってるの?ってなるからね。

 でも魂が次に宿る世界や存在を選べるシステムだったら、一回知的生物になった魂は次もまた知的生物に宿ることを選ぶわけじゃん?

 生物連鎖ピラミッドの下に位置する植物や微生物に好き好んでなろうとする魂はどんどん減る。

 そしたらどこの世界も生物連鎖ピラミッドの下の生物がごっそり発生しなくなる。

 そうすると生物連鎖が崩れてピラミッド上位の生物も生きて行けなくなる。

 全ての世界は成り立たなくなっちゃう。

 だからだから、そうならないように記憶初期化してるんじゃないかな。」

 「確かに。俺も今からメスのネズミとか嫌です。インスマスの住民も嫌。」

 「忘れる、ってのは魂の救済だねえ。本当に。全ての世界のためでもあるよ。」


 「えーっと、なら、前世の記憶を持って前世の姿を保った俺って魂は何なんでしょう?」

 「それな。ごく偶に、でも魂の数から言ったらそこそこあるのかな?君みたいなことになる魂が出るんだよね。原因や法則は全っ然不明。ここんとこ君のいた世界の魂がそんなことになること多いみたいだけどね。トラック転生?知らんけど。」

 「転生神じゃなく自分も魂って言ってたのによくご存じですね。そんな膨大な知識や俺のこととか」

 「私は本当にとある世界に存在している魂、それだけだよ。夢が覚めて元の世界に戻ったら、今君に話してる内容とか忘れるんだと思うね。君の考えがわかる・・・っていうのも私自身の能力じゃない、と思うし。」

 「どうゆうことですか?」

 「君のイメージするこの空間と私の姿って、同じ白色のだだっ広い果てが見えない床と空。で硬い筈のこの空間の床。

 でも私がニョッキリビニョーンと硬い筈の床をまるでゴムのような柔らかさと伸縮性があるかのごとくピッチリ被って突き出してる、って感じだよね?」

 「言葉にすると難しいけど、その通りです」

 「君がイメージする床の裏側に、魂のこととか世界のこととか、多分全ての世界の森羅万象が記録されてるように感じられるんだよ。アカシックレコードなんだろうね。」

 「うわすごい」

 「で、君との対話を進める上で必要な情報が、私のイメージだけど何か太字、明光で強調されて?見えて情報が視覚も伴って流れ込む感じ。

 君の生前の様子や、世界、魂についてとか、ね。

 魂の前世記憶リセットの理由とかについてはどっかに記録されてるとは思うんだけど、明智光秀が本能寺の変を起こした理由とか、神様仏様稲尾様のうち誰が人間だったとか、子供の罵り言葉の残り具合とか?君と関係ないってことなのか全然見つからないよ。

 黒地に濃いグレーで書かれた膨大な文字の壁画の洞窟のどこかに記録されているとは思うんだけど、見えづらくて見つからないってイメージだね。」

 「神様仏様稲尾様。3人とも人間でしたよ。」

 「人間だった神もいて、人間だった仏もいて、ってことね。稲尾様は鉄腕だね。」

 「ええ、さすがに俺も現役時代を見たことないですが」

 「ちなみに君が見たピッチャーで誰が一番凄かったの?」

 「断然元ヤクルトの伊藤智仁の1年目ですよ。美しいピッチャーでした」

 「あのスライダーはエグイね」

 「いや本当に故障が残念でした、って、今この俺と話してる内容ってか伊藤智仁のこともアカシックレコードでわかるんですか?」

 「そうだよ。君が話題に出した瞬間ペカッて光って伊藤智仁の情報が動画も含めて流れ込んでくる感じかな。いやマジで凄いピッチャーだね彼は」

 「アカシックレコードの無駄遣いもいいとこですね」

 「そう言わないでよ。でも何か私としてはずっとこのまま君と話していても良い気がしてきたよ。私の知らないことを君が話すと、私はそれがアカシックレコードのおかげでわかるというか体験できるからね。こりゃたまらないよ~」

 言ってみれば無限のリアルエンタメが楽しめるってことだもんな。

 それは俺もその立場になったら手放したくない。

 なんせ空腹も尿意も暑さ寒さもないようだからな、この謎空間。

 「ああ~、伊藤が0で抑えてたのに味方打線も沈黙して伊藤を見殺しだよぉ」

 どんだけ楽しんでんだ。

 羨ましい。俺もあの頃の伊藤の投球をリアルタイムでもう1回感じたいわ。

 「あの、俺も何とか床の裏側に行けませんかね?」

 「あー無理無理。無理だよぉ」

 「何でですか」

 「そりゃあ君、これはリクルーターだけの特権みたいだからだよ~。ああ、篠塚何でそれ打っちゃうの!

 伊藤の頑張りがぁ・・・」


 随分楽しんでらっしゃるが、何か気になる単語を言ったぞ?







と言う訳で第2話終了です。


すみません、ダラダラ会話が長くなって。


次の3話でこの会話は終わります。


第3話は明日の朝8時頃に投下いたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ