ゴブリンの襲撃3
過去編はさくさくと進んで行きます
森の中に大きな土の城がある、それはゴブリンの城だ。
「王よ、流れ者どもがオークの村に攻め込み敗北したとのことです、おそらくですがこちらの数も把握されているかと」
「………簡単に負けよって、奴はどこだ?奴の作戦であろう!?」
「それが、今朝から見かけておらず」
「なに!?………」
「(あんなどこぞの人間の言うことなんか聞くからこうなるのだ、だが確かに食料がないことも事実)」
「探すのだ!奴を探せ!」
「ハハッ、」
「くそっ!カヌマ.マトヤめ、3000の犠牲で召喚してやったというのに」
それから1日が過ぎ、ゴブリンの王はオークの村と人間の村を襲撃する事を決意した。
「ククク、バカな奴らだよ、最初から僕が利益になると思い込ませ、少しずつ信頼を得たんだ。騙されたバカで愚かなゴブリン《糞虫》ども君たちの犠牲のおかげで彼女を僕のものにできる、、あぁ、美しい貴方、あの美しい髪の毛を触りたい。あの美しい瞳に映りこみたい。あの美しい心を手に入れたい。あの美しい身体を僕のものに…………………その為には奴、あのオークが邪魔だ、僕の手で絶望に突き落としてあげるよ………これからがショータイム………っとその前にまずはこの人形で奴の心を壊しにかかりますか」
そう言って彼が捨てた人形は…筋肉が自慢であったであろうオーク、もう生きていることはないだろう。
「さぁー!僕の掌で踊り狂いたまえ!」
この二日間という短い時間で築いた壁の上から下を見る。すると異様な光景で埋め尽くされていた。
森を上から見たら緑色なのは誰でも知っている事だ。でも、大地が、昨日まで岩肌だった大地が真緑に変わっているこの状況をどう思うだろう。今オークの村と人間の村はゴブリン族によって侵略を受けかけている。
「俺にできること、人間の村にゴブリンが行かないようにしながら、ゴブリンを倒すこと、その為に今までの人生で積み重ねて来たことの全てを出し切る」
ドタドタドタドタ
「…っは、ハァ、、ハァッ、んぁ」
ん?こいつは確か村に残して来たはずだが、
「どうしたのだ、そんなに慌てて」
「は…………ぁあ」
「よいよい、落ち着いてから話せ」
数十秒待つと兵も息を整える
「そ、その、大変申し上げにくいのですが」
「申してみよ」
「村長が亡くなられました」
「なに!なせだ!なぜ父上が」
「その、首を締めて自害されたようなのです」
「ッ!?」
「ま、まさか、父上に限ってそんな訳が」
「私もそう思いたいのですが」
「………今は悲しんでいる暇などない!か、、この事は他の者に伝えたか?」
「いえ、まだ誰も、村長の息子である貴方に伝えるのが先かと」
「うむ、良い判断だ、それとこの事は号外を禁ずる」
「はい!」
「それと周りの者に村長はどうしたのか、と聞かれればなぜそう思ったのかと、今は外出していることにせよ、この戦いでのお前の役目は父上の家の死守だ!」
「はっ!」
なにが起こっているのだ、父上
この後あんなにも残酷なことが起きるなんて、この時の俺は知らなかったんだ。