初恋は一目惚れでした
今日はあともう1話書きます
その娘は本当に、すごく、とんでも無いほど、この世の物とは思えないほどに美しかった。白髪とは違いキラキラと光っている銀髪が肩まであり、その娘の存在感を潰すようなほど綺麗なのに関わらず、結局は髪の毛だと言わんばかりに美しく存在感を放つ顔。少し眠たそうな青色の瞳。そしてあのナイスバディ、この世の美は彼女のクビレだと言わんばかりに素晴らしい、あとあのヒップも中々、グヘヘ、胸はそんなにないが将来に期待だ。
同種の者がそんなに好いているなら奪えばいいと言ってきたがどうしてもそれが出来なかった。それほどまでに俺は彼女に恋をしていた。
俺の初恋にして初めての一目惚れ、初恋だから当然か。
彼女の事をもっと知りたいと思った。もっと知るためにもっと話したい。話すきっかけが必要だった。
そんな時彼女が森に来たという報告を受けた。
「それは本当か!?」
「は、はい!先程森の中を歩いておりました、」
「うぅ、、様子を見て来る!」
俺はそう言い彼女がいると思われる場所に向かう。
「最近隊長様子おかしいよな、」
「そだな、」
「アレは、恋する乙女の目」
「乙女じゃねーだろありゃ」
そんな会話が繰り広げられてるなんて知りもせず。
森の中を走る走る。走るのはそんなに得意じゃ無いけどこの森は危険だ、俺が彼女を守らないと、待っててくれ!足跡が残る地面や踏まれた草などを見つけ出しだんだんと彼女に近付いているのを実感しながらその後を追う。
ポチャポチャポチャ……………
そんな音が森に響き渡り彼女がいる事を察して身を隠しつつ近づく。
「っ!?」
彼女は水浴び中だった
その美しい身体、イヤイヤその美しい髪の毛に隠された身体、イヤイヤその美しい瞳に映る水に反射した身体、イヤイヤだから!その美しい身体!!!!
オークの性欲は人間の10倍以上と言われている。一度でも〇〇〇〇を体験してしまったオークはそれが忘れられなくなる。この俺でさえも…………
理性が吹き飛びそうになる。押さえ込め、父ちゃんを思い出せ、あの筋肉、気持ち悪いほど育ったあの筋肉オークなのに全身が筋肉の父ちゃん父ちゃん父ちゃん父ちゃん、うぇ、気持ち悪りぃ。
「うぇ………r」
「ッ!?だ、誰かいるの!?」
や、やばい!見つかった!どうしよう、彼女にとって俺との最初の出会いがこんな、水浴びを覗くオークになんて思われたらそれこそ相手にさえしてもらえなくなる。せっかく理性を保ったのに、そんな事になったらおしまいだ、どうしよ、どうしよ、どうしよぉー、
アレしかない
「出て来なさい!」
「ブ、ブヒィ」
そう俺は四足歩行の豚だ、ただの豚、緑色なのは勘弁してくれ草を食べ過ぎたんだ。
「な、なんだ、豚か」
「ブ、ブヒィ」
!?この子はアレか馬鹿というやつか!はっはっはこれで作戦成功、オークの知恵者と言われた俺にかかればこんなの朝飯前だ。さぁ、後は草むらににげこむだけだ。
「ちょうど今日の夜ご飯に悩んでたところよ、」
「ブフィ!?」
何だと!こんな可愛い子が豚を食べるのか!?、
っと、そんなこと言ってる場合じゃない、逃げないと
草むらに突進しようとするが後ろから何か聞こえて来る。ポチャポチャポチャ
水が落ちる音が聞こえてそちらの方を振り向くとそこには片手を振り上げ風の魔法を放とうとしている彼女がいたが、そんなことはどうでもいい!
「美しい、」
これが初めて彼女に発した意味のある言葉だった。