彼女の声が聞きたくて
1
人形と呼ぶのか?
その赤き瞳に熱き情熱をたたえた
されど悲しげなまなざしを投げかける彼女を。
呼ばない。
私は彼女のことを「翼さん」と呼ぶ。
生きているのか死んでいるのかそれは知らない。
私には、
そこにそんなに大きな意味が、
ないように思えるんだ。
悲しみの数だけ、涙をこぼす幼さがもうないよ。
楽しくなくても笑うくだらない
追従を少し身に付けたよ。
今の世の中、生きていることに
何か意味があるんだろうか、とか?
2
すべてをぶっ飛ばすためにも、
喪服でダンスを踊れたらなぁ、
他人の目など一切気にせずに踊りたいから踊る。
すべての男が私に惚れないのかがわからない。
敬愛する父親の残した土地を守るために
色香だって使ってみせるわ。
でもそれで自分の純情が汚れるの。
深酒するしかない弱い心。
私のこと、惚れ切ってると信じ込んでた男の人が
そんな私に愛想つかして出て行こうとするとき、
馬鹿みたいに初めて、
私はこの人のことが好きだったんだ、
それに気づくなんて、
一体どこの古典恋愛よ。
長々と書いてしまったから、
もう、おわかりかしら?
この女の人がスカーレットオハラ、
私がリスペクトする唯一深紅の似合う女。
その涙までも紅かったに違いないと
私は信じている。
そしてだからそんな私だから、
深紅の瞳をした「翼さん」のことが大好きで、
スカーレットの瞳の色は
濃いブルーだったと思うけれど、
私はなぜか翼さんとスカーレット
を重ねて見てしまっていて、
1度なんてつばささんの手の甲に、
敬愛のキスをしたことだってあるくらいだわ。
3
モナリザの微笑だって及ばない
翼さんの微笑にも似た唇釣り上げ顔。
あの日いちどだけ見せてくれた
あなたのその奇跡の微笑みを
もう一度だけみたくて
私はあなたを手放せないのです。
それよりあなたの笑顔に私は支配されている?
翼さん?
だって
それだけを待ちつつけている
いつまでも…………いつまでも…………




