Episode.06 もう一人の式神
前回のクイズの答え。
Ⅱ.アーネ
▼Episode.04にて、アーネは眼鏡をかけ始めたのは半年前からと言っている。
しかし写真では眼鏡をかけていなかったので、去年ぐらいとなる。
Ⅰの場合、蓮花は転校生である為、背景の変化は知らない。
Ⅲもまた、蓮花はリーダーには一度も会ってないし、過去の彼女しか知らないので同様。
一番説明がつくのがⅡとなる。
…まさか、勘で当てたなんてことはないよね?
※気まぐれでまたクイズが出てくる可能性があります。その時は広い心でお付き合いください。
私は今、校門前にいる。
「月火!」
蓮花「ん?」
あ、ムカってきた奴。
…ん?
「…ハァッ…ハァ…ハァ…ま、ちょっ…」
蓮花「…」
…コイツ。大丈夫なのかと思った。
何故に息切れしてるし。結構近いぞ距離。
蓮花「…あの、大丈夫?」
「……しん、ぱい…しない、でくれ…たのむ、から…」
蓮花「…あー…うん」
コイツ絶対頭脳派だろ。
それも自分ではほとんど動かない指令派。
蓮花「…それで、何の用?『レッド&ブルー』の赤月夕陽クン?」
「…」
レッド&ブルー…彼の二つ名。
何故そんな異名がついたのかというと…
夕陽「…お前。居場所知ってるのか?」
…おいこら邪魔すんな。ま、いいや。
蓮花「さっきの写真でなんとなく」
夕陽「…なんとなく?…そんなので行けるのか?」
蓮花「…」
夕陽「…」
…コイツ、鋭いな。
いや、あの写真の背景見たからなんとなく分るよ?
でもね…場所、知らないんだよねー…。
夕陽「…ついていってもいいんだぞ」
蓮花「ほんとっ?サンキュー!」
夕陽「…別に。お前の為じゃない」
ん?これが世に言うツンデレなのか?
…ま、知らないけど。
夕陽「…だが、アイツのいる町までは遠いぞ。どうやっていくつもりだ?」
蓮花「ああ、それなら大丈夫!」
夕陽から少し距離を置く。そして、ある札を出す。
…自分専用の自作札ですが、何か。
蓮花「…我が式神大陰。汝の主、蓮花の前に現れよ!」
札を投げると、青い炎が出てすぐに消える。
そこに現れたのは…
黒い髪、青い目、白い和装姿。背に黒い翼を持ち、青い錫杖を持った青年。
私の式神、烏天狗が跪いている。…やらなくていいのになー。
「お呼びですか、蓮花お嬢様」
夕陽「…烏天狗…?」
蓮花「私の式神。烏天狗の太陰」
夕陽「式神って…じゃあお前の肩に乗ってるのはいったい…?」
蓮花「この子も式神。九尾の旭。あ、太陰立っていいんだよ?」
夕陽「…お前っていったい何なんだ?」
蓮花「…私の出身地、カミハラっていうのよ。ウチ、代々そこの陰陽師の家計なわけ。
それで式神扱ってんのよ」
夕陽「カミハラ…ああ、ブレイズもそこだって言ってたな」
蓮花「…」
ブレイズ・ショットルート。
…確か高等部、それも生徒会に姉がいるんだったわね。
あ、ブレイズって奴あの時ラトナの近くにいたな。あの王子の雰囲気漂わせてる野郎。これでもし私のこと『姫』とか呼んだらもれなく急所を蹴る!
夕陽「…それで、彼を呼んでどうするつもりだ?」
太陰「…」
夕陽「…何だよ」
太陰「…」
あ、頭撫で始めた。
夕陽「ちょっ…わっ…なんだよ…」
蓮花「よかったわねー太陰に会ってすぐ気に入られるなんて私以外では珍しいことよー」
夕陽「え?これ気に入られてるのか?どうみても子供扱いしてないか?」
蓮花「してないしてない。太陰なりの表現よソレ」
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(夕陽side)
…これがこの烏天狗なりの表現?
…これいつまでやってるんだよ。
「……夕陽殿」
夕陽「…ん?」
月火もだが、何で俺の名前を知ってるんだか。
太陰「…蓮花お嬢様のこと、頼みましたよ。
あの方は、自分にも嘘をついて無理する方ですから」
夕陽「…えっ」
…何故それを俺に言う。
蓮花「太陰ー、そろそろ準備してー」
太陰「はい。…このことは、お嬢様には内密に」
夕陽「…はぁ」
…コイツはもしかしたら、知っていたのかもしれない。
この先、俺が抱くことになる感情を。
…だが、その時の俺はまだ気付いていないだろう。
気付くのにはまだ、時間がかかりそうだ。
Memories of sadnessで出来なかった要素とか入れたい…