Episode.68 ゼロ・ドラクーン
白く大きな竜。その上に乗り権を構える女性…。
『剣を構え我の背に乗るのも久しぶりだな…ゼロ』
「…ああ。やっと思い出したよ、ミカエル」
ニーオ。
彼女の本当の姿は、最強の竜使いの女剣士、ゼロ・ドラクーン。
ゼロ「…大丈夫か」
鬼蓮『影に戻ればすぐ直る、さ…』
そう告げてけ影の中に戻る。
バトラ「…?
メード、どうかしたのか」
メード「……疲れた」
そういうと森であるというのに、しゃがむとコテンと横になって寝始めた。
蓮花「…………は…?」
ゼロ「(妹に似てるな…)」
バトラ「またこの子は…。……はぁ………仕方がない。
…今回はこれで失礼いたします」
そう言ってメードを背負い去っていった。
…緊張が解けたのか、両手から刀が落ちてガクッと膝をついた。
ゼロ「大丈夫か」
蓮花「……あ、はい…」
ルル「レンゲちゃん!」
夕陽「立てるか、月火」
旭「蓮花ちゃん、大丈夫?怪我してない?」
蓮花「………」
急に押し寄せてくる色々な感情。刀を離したからか…。
色んな感情の中で一番大きく感じるのは、恐怖。
あんな怪物を相手にしたのは勿論。
あと一歩で鬼蓮は死ぬかもしれなかった。
そして…
あと一歩で、私は『化物』になりかけた。
殺傷行為さえ、厭わない。
感情、涙、人間味も何もかも投げ捨てた…化物に。