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FLARE GUARDIANS  作者: 睦月火蓮
PART.4
39/108

Special episode.Ⅲ

今回から[残酷な描写あり]を付けようかと思います。

ちょっと今回の内容がアレなので、嫌な方は飛ばして下さい。

(ヒカルside)


…俺は今、男子寮の自室にいる。

眼鏡は外している。度が合わないから頭が痛くなるからだ。


俺がこんな二重人格に近い性格になったのは二つ理由があるからだ。


少し長いが、話を聞いてくれ。

――――――――――――

十年前、当時四歳。俺はカーラ兄さんに連れられてある町に来た。

元々はイレベルシティに住んでたが…その一年前に両親を捨てて、カーラ兄さんの所に逃げ込んだ。

…その数時間後、両親がカーラ兄さんに対して暴力を振るっていたことに、当時の俺はカーラ兄さんが押し入れに隠れるように言って、言われたとおりにするしかなかった。怖かったからだ。

カーラ兄さんは何も考えていなかった訳じゃなく、ちゃんと警察に連絡していた。

だが…


警察が来たことに逆上してカーラ兄さんを、包丁で刺した。


俺は恐怖のあまり…声が出なかった。

直後、警察が突入。両親は現行逮捕。

以来…カーラ兄さんの背に傷が。幼い俺には精神的な傷が。

------------------------

人形のようになった俺を心配して、カーラ兄さんは俺を『信用できる奴に預ける』と言ってカミハラに来た。

門に『旭ヶ原』と書かれた表札が目に入って、その奥を見た。

第一印象は、デカい。


「やぁカーラ君。その子がヒカル君?」


男の人の声がして咄嗟に睨んだ。


「あらら…そんなに怯えなくていいよー?」


(ヒカルの記憶なのでジャーナリ→カーラ)

カーラ「…ヒカル。この人は俺の通う学校の先生」


ヒカル「…せんせい…?」


「俺は夜咲。よろしくね」


ヒカル「…」


ニコニコとして手を差し伸べてくる。俺は、睨みながらも手を握った。

------------------------

夜咲って人に案内され、奥に進む。昔本で読んだことあるけど、こういうの客間って言うんだよな。

二人が何を話しているのか分からないけれど、とりあえず理解できるのは…

俺はここに預けられる。


三十分ぐらい話してから夜咲さんは席を立った。

数分ぐらいして、子狐を連れた女の子を連れて戻ってきた。


「…おとーさん。あのこ、だぁれ?」


「蓮花ちゃん。昨日話してたヒカル君だよ」


「ひかりゅ?」


「ヒカルだよ」


よちよちと歩き、俺の所まで蓮花と呼ばれた女の子が来る。


「…わたち、あさひがはりゃれんげ。よよしく、ひかりゅ!」


「…よろ、しく…」


俺は、差し出された手を握った。

――――――――――――

それから数日ぐらいして、俺は少しは心を開くようになった。

ただ…


「あ、あの…れんげちゃん…」


「なぁにヒカル」


いざ声に出すと、どうしても酷く怯える。

人と接するのが怖い。


一人称さえも『僕』に代わってしまった。

俺は、カーラ兄さん以外に旭ヶ原家の人にだけ話すようになった。


ただ…

俺は、よそから来た奴。腕や足に普通じゃない数の傷や痣。気味が悪いということで、イジメられた。

蓮花はそんな俺を、ずっと守ってきた。

蓮花が羨ましい。というか悔しかった。


そんなある日、事件が起きた。

蓮花が旭を置いてどこかに行ったらしい。

俺は蓮花がいそうな場所を探したが、いなかった。

森の方から泣き声が聞こえてきて、嫌な予感がした。

蓮花は、獅子の妖怪に捕まっていた。


怖いと思った。何せ相手は今の俺でもデカいと思う奴だ。


助けを呼ぶか。そう思ったがすぐに打ち消した。

もし、仲間がいたら?

そう思うと…どうしたら良いのか余計に分からなくなる。


「おかぁーさぁーん……おとぉーさぁーん…あさひー…ひかりゅー…」


ヒカル「れ、んげ…」


俺は…走り出した。


















ヒカル「──クソ妖怪が、さっさと蓮花(ソイツ)を家に帰せよ」


蓮花を助けに、獅子の前まで。


ヒカル「名の知れた獅子様は、ガキ泣かせることしか脳がねぇのかよ?

 …ってことは弱いのか、馬鹿妖怪」


久々に本音が出た。

そのおかげか、恐怖心からくる震えなんて消えた。

…ま、今の発言で怒らせたみたいだが。


ヒカル「走るぞ蓮花!」


蓮花「う、ん…っ」


そう簡単にいくとは思えないが、とにかく走る。

なるべく遠くまで…!


蓮花「ひかりゅ…ごめんねっ…」


ヒカル「謝罪とかいいから走れ!」


ただ、さすがに無謀すぎるこの行動。

しかも相手は獅子だ。簡単に追いつかれる。そして目の前に立ち塞がる。


ヒカル「チッ……」


突然。何か自分の中から湧き上がるものを感じた。

無意識のうちに両手を獅子の前に突き出して叫んでいた。


『クレイモア』と。


だが直後、俺は全身の力が抜けてぶっ倒れた。


蓮花「ひかりゅ!だいじょーぶ!?」


ヒカル「…あ、ああ…」


「蓮花ー!ヒカル君ー!」


おじさんやおばさんの声が聞こえてきて安心できたせいか、そこからの意識はない。

目が覚めた後、おじさんに眼鏡を渡された。力を抑える為の。

――――――――――――

そして…俺はここにいる。

ただ、眼鏡を付けている間はどうも中身までもが気弱になってしまうらしいな。


「マスター」


部屋の中央で炎が燃え上がったかと思うと、長身の男が現れる。

赤みの強い橙色の長い髪を一つにまとめている。

黒スーツを着ている…が、何故か刀と拳銃をそれぞれ二つずつ所持している。


「…」


ヒカル「…レオ。そっちはどうだった」


「…こっちは特に何もなかった」


ヒカル「そうか」


レオ。実を言うとこいつは…あの時の獅子だ。

どうやらあの後俺の事を気に入った。というか、主と認めたらしい。

意外と面倒見が良くてな、蓮花がいない間銀月とかの相手をしてる。


レオ「…それじゃあ、オレは戻る」


ヒカル「そうか」


レオが去ると丁度誰かがドアを叩く。俺は眼鏡をかけて、ドアをあけた。

その後、蓮花をあんなことにさせるとは知らずに…

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