Episode.27 影
(?side)
…Ms.レンゲ。彼女はとても魅力的だ。
なんといっても、あの『力』…
「…」
「ふゎーぁ…」
「…我が従僕達。君達二人に命令を下す。
主・『ブラッド・ヴァンフェーニ』の名において」
「畏まりました」
「了解…ふぁー…」
蓮花「…へっくちゅっ!」
旭「風邪?」
蓮花「んー…、馬鹿は風邪引かないっていうよ」
夕陽「…それは引かないんじゃなくて引いてる事に気付いてないんだ」
ヒナ「アンタくしゃみ豪快の癖に音は可愛いわね」
カイ「動きはオッサンだが音は乙女だな」
ラトナ「予想の斜め上いったな」
リュー「なんだか裏切られた気分ー」
旭「昔からこうなんだよ」
ブレイズ「へー(棒)」
蓮花「…?」
とりあえず、私は自分の席に座り手紙を読む。
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蓮花さんへ
エレメントに入学したんですね。おめでとう、かな?
前から言っていた「フレアガーディアンズ」には入れましたか?
蓮花さんの事なら、きっと大丈夫でしょうね。
今度、どんなチームなのか教えてくださいね。
私も私で、チームで頑張ってます。
先輩と比べるとかなり頼りないリーダーですがね。
それでは、この辺で筆を置こうと思います。
文月火蓮
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…火蓮ちゃん。前から思うけど字、綺麗だな…。
ていうか筆だねこれ。
あの子歳いくつなんだろ…
ルル「…なんというか、古めかしいというか…」
夕陽「…ルル、人の手紙を見ない」
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…夕陽と話しながら廊下を歩いていると、誰かが声をかけた。
蓮花「あ、ヒカル。
と?…えーっと、あー…ジャーナリだったね」
ジャーナリ「…」
ヒカル「すいませんカーラ兄さん…蓮花ちゃん興味がない人はあまり覚えられないらしくて…」
ジャーナリ「…」
旭「慰めてないと思うよ、ヒカル君」
ジャーナリ「…アンタにはひとつ借りが出来たな」
蓮花「…(夕陽、何の事)」
夕陽「…(聞かれても言えない)」
ジャーナリ「ま、アンタが覚えてないのはアイツから聞いたから知ってるさ」
蓮花「…アイツっていうのは?」
ヒカル「…(言ったら絶対怒りますね)」
ジャーナリ「(だな)…生徒会長」
…あんのやろう…。
ジャーナリ「そう怒るな、まぁ…アイツもアイツで……駄目だフォローの言葉が見つからねぇ」
蓮花「でしょうね」
夕陽「…(不憫な人だな)」
蓮花「で?私に何か用件があったんじゃない?」
ヒカル「あ、そうでした。誰なのか分からないけど、蓮花ちゃんに渡してほしいと…えーっと…はい、これです」
蓮花「…?」
黒い小さな箱?
誰からなんだろ…と、受け取ろうとした時。
ジャーナリ「…!それに触れるな!」
蓮花「え?」
あと数秒早かったら止まっていただろう手は、指先が箱に触れた。
直後、勝手に箱が開いて中から煙りのようなものが…
蓮花「なんっ!?……」
旭「きゃー」
夕陽「月火!?」
ヒカル「蓮花ちゃん!!」
ジャーナリ「遅かったか……ヒカル、コイツを医務室に。
俺はさっきの奴を捜す」
ヒカル「は、はい!」
…意識はあるのに、体が動かない。声も出せない。
次第に声が遠くなって、目の前が暗くなって…




