Episode.20 理事長
ルル「失礼しまーす」
おー、いたいた。夜咲先生。とー…
日向撫子理事長。
撫子「ルル・ジュエルさんね。…それと、ネートさんに、赤月暁美さんね」
ルル「…え?」
ネート「もー、お姉ちゃん先行っちゃうんだからー」
ルル「外で待っててくれても…」
暁美「兄ちゃんに言われたんだって、一人じゃ何するかわからないって」
…ユウヒ。地味に酷いわね。
撫子「…それで、何か用かしら?」
ルル「ああ、えっと…理事長じゃなくって、その、夜咲先生のほうに用があって…」
夜咲「…俺?」
ルル「はい。えっとー…レンゲちゃん。そう、レンゲちゃんのことだ。
…ったよね」
ネート「うんうん」
夜咲「?」
というわけで、経路をあれこれ説明する。
…キレンの話は少しカットしたけど。
夜咲「…そういうことか。わかった、準備してこないといけないから先に行ってて」
ルル「はい!…失礼します」
そう言って理事長室を後にする。
そして私視点は終了か…
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(夜咲side)
夜咲「…ふぅ」
全く、驚いたよ…。
蓮花の話をしていたら丁度来たんだから。
撫子「大変ね、夜咲君も」
夜咲「仕方ないよ。子供のことだから。
…撫子の方こそ、大変だろ?」
撫子「そういわれればそうかもね」
冗談めかして言ってるけれど、本当に大変だろう。
ここの理事長であると同時に、俺の妻であり、三人の子の母。しかも日向家現当主。…あ、それはもう俺と同じく娘に引き渡したんだ。
俺の何倍大変だろうか…
撫子「学園内の私はあくまで理事長。例え自分の子供でも、学園内では生徒。
それに、あの子達がそれを嫌がるでしょ?」
夜咲「…そう、だね」
既に父親が教師である時点であれなのに、理事長の子っていうと…
あの二人は良いかもしれないけど、蓮花はなー…
撫子「…ほら、あの子達が待ってるわ。
早く行ってあげて下さいな。旭ヶ原先生」
夜咲「…わかりました。日向理事長」
撫子「それでよろしい」
撫子に急かされ、フレアガーディアンズのいるルームFへ向かう。
…あ、理事長室に携帯忘れた。…撫子、自宅に戻ったら渡してくれるかな。