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FLARE GUARDIANS  作者: 睦月火蓮
PART.2
21/108

Episode.16 鬼蓮

(夕陽視点)


「いつまで頭を下げてるんだい。女子少年」


ヒカルが再度俺達に頭を下げた時、入り口から声が聞こえてきた。


黒いチャイナドレス。

赤いストール。

紫色の扇子。

銀色の長髪を、よく見るとベルトで髪をまとめている。


…教師?いや違う…


暁美「……に、兄ちゃん」


小声で俺を呼ぶ暁美。

…?


暁美「……あの人、…全然生気を感じない…」


夕陽「…何だって?」


……確かに、感じない…。…幽霊みたいな者か?


ヒカル「え、えっと…?」


「……連中への用は済んだのかい?」


ヒカル「えっ…」


「れ、連中って…」


…今のはラトナか。


「まったく、ここの連中はお人好しだ。ちゃんと謝ればコイツらは許す。

 そうだろ、紅玉リーダーちゃん」


ルル「……え?私?あー…うん、まぁ…」


「ほら、さっさと行きな」


ヒカル「ちょ、ちょっと」


「…アンタが行きたいのはあのカメラ兄ちゃんの傍。やることやったならさっさと行きな」


ヒカル「え…は、はい」


ヒカルの背を押し、部屋の外へ出した。

…ヒカルは、ジャーナリのことを心配していたのか。


ルル「…あのー、ところでアナタはいったい…?」


「…アタシかい?」


一度背を向けていた女性は再び俺達の方を向く。

…いつのまにか煙草を口にくわえてる。


「…火怒炎虎(カドエンドラ)、名は鬼蓮(キレン)

 主の影を映す、火炎の虎の鬼の蓮さ」


カドエンドラ…キレン?

聞いたことない…


鬼蓮「…ふぅん、どうやら俺が何者か分かってないらしいな。

 特に…分からなくて驚いてるね、『坊や』」


夕陽「……坊や?」


……?

…いや、まさか…


夕陽「……お前、まさか……月火か?」


ルル「へ?」


鬼蓮「……正解、だが半分不正解」


ルル「えっ?……えぇ!?」


ラトナ「どっ…どういうことだよ!?」


リュー「……なるほど」


夕陽「…」


ラトナ「…理解してるのが二人だけなんだが」


ブレイズ「…なんか、負けた気がするんだけど…」


リュー「…年の功。かな」


ラトナ「…って年変わんねえじゃねえか!!」


リュー「あはは。…肉体としては、ね」


ラトナ「…え?」


ブレイズ「…リューがこういうこと言うと、納得できるのは何故なんだろう…」


鬼蓮「戯け。…黙らぬか」※扇子ごし般若面(目から上のみ)


三人「「はいすいませんでした(即答)」」


暁美「あ、二回目だ」


…やはり、月火なのか。

…と、その前に…


夕陽「…あの」


鬼蓮「なんだい」


夕陽「……喫煙はちょっと…」


ルル「あ、それ気になった」


鬼蓮「…安心しな坊や。これ、菓子だから。

 一応は未成年だし、第一あんな煙くて体に悪いのなんか吸えるか」


夕陽「…はあ」


鬼蓮「…一応言っておくけど、敬語なんていらないから。

 こんな青年の姿でも、年はお前さんらと変わらない。いや、ほぼ同じか」


ルル「…わけがわからないよー」


ヒナ「ルル、それアウト」


…鬼蓮は月火の席に腰か…ん?

……え?…そ、そこは…


夕陽「…あの、そこ俺の席…」


鬼蓮「知ってる」


夕陽「…え?」


…気を取り直して、鬼蓮は俺の席に腰かけると、俺達にある話をし始めた。


鬼蓮「…いきなりだけどある話をしよう。

 あたしとあの子の関係、あの子の知らない物語。…というより、全部忘れた、か。

 聞く覚悟があってもなくても、勝手に話させてもらうよ。

 所詮はただの…忘れ去られた物語を語るだけさ」

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