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小さな女の子
ある日のことでした。
小さな女の子が泣いていました。僕にはその女の子が小学生高学年から中学生くらいにみえました。
「どうしたの?」
僕は声をかけます。しかし、彼女は答えません。彼女は僕のことを怖がっているのではないかと思いました。これから僕は特に用事があるわけではなかったので、少しじっと彼女の横にいて待っていることにしました。そうすると、少し彼女は泣き止みました。
「少し落ち着いた?」
「うん」
彼女は泣き止んだものの、なにか落ち込んでいるようでした。
「飲み物でも飲む?」
「大丈夫です」
「そっか」
「でも、お兄さんやさしいよね」
「どういうこと?」
僕はしゃがんで彼女の顔を見る。
「言葉の意味そのままだよ」
彼女は立ち上がり僕の手を引っ張る。
「心配してくれてありがとう。でも、迷子とかじゃなくて、自分の中で解決しなきゃいけない問題だから」
「そっか」
「でも、またお兄さんと会いたいな」
そう言って彼女は遠くへと歩いていった。一体なにがあったのだろう、と僕はおもった。