桜は、戦いの始まりへと誘う
遅れました。申し訳ございません。反省してます。はい。
春。俺こと永坂 遠也は、高校の入学式を終え、帰路についていたときだった。
ズドンっという衝撃が走った。それに、目の前に赤い火の玉が浮かんでいる。
ちなみに、この赤い玉はただの人間には見えない。魔法使いの血統者か熟練の魔法使いにしか見えない。
俺の家――つまり、永坂家――は、元々魔法使いの家系だったそうだ。俺は、先祖の魔法使いの血を濃く受け継いでいるため、こんなモノが見えるってわけだ。
すると、目の前に白と赤の巫女服を着た少女が現れる。手には弓矢を持って――って、
「えええええええええ!!」
思わず、叫んでしまった。少女は、それでも何かに対峙してるようだった。
「あなた。動かないでくださいね。」
俺に背を向けたまま、少女は言った。弓を構えて、矢を引いて―――打った。
しばらく、沈黙があったが、少女は「ふぅ」っとため息をつくと、こちらを向いた。
「大丈夫ですか?怪我は、ありませんか?」
っと言ってくれた。俺は、唖然としてしまったが、慌てて礼を言った。
「ありがとう。助けてくれて。えっと・・・」
すかさず、少女はにっこり笑って答えた。
「理想郷騎士団の神無月 雪名です。」
「あっ、俺は、永坂 遠也。よろしく。」
「!!永坂・・・」
目を大きく見開いて、驚いてるようだった。
「ちょっと、一緒に来てくれませんか?」
俺の手を引いて、歩き出した。
「えっと。どこに・・・」
神無月さんは、にっこりとまた笑った。
「騎士団本部まで。」
ここから、俺の人生は、狂ってしまったのだろう―――――――