お姫様は欲望に忠実!?
はてさて、この時代に生まれついて20年。あ~、かつての戦国時代と思ってくれて充分充分。っつーか、私も全部把握してるわけじゃないし。
でも、いろいろと違うところがある。
昔にチートキャラっていなかったよね! (^o^;)アレ?
風の噂でよく聞くよ。曰く、荒れ果てた土地を開墾して、さらに土を改良したとか。曰く、足軽から国主の娘の婿養子になって、次期後継ぎだとか。(ハーレム作りそう)曰く、100人以上いる賊をたった一人で倒したとか。テラ無双www
とまぁ、こんな感じでチートキャラについては話題は、毎日尽きることなく耳に入ってくる。
逆に私の方は日々のんべんだらり……といきたいところだけど、こっちもこっちで厄介事があったりするんだなぁ。それは何かというと、まぁ、うん、なんというか、その、現時点で命の危険が。
「……………」
「そなたは何処の国の忍だ? って聞いても答えるわけないな」o(^-^)o王道キタコレ
お互いの首筋に刃を突き付けながら、私は問う。台詞の後ろについてる物は無視してOK。内心の腐った思考だから☆
就寝してから数時間。なんかいや~な予感がして、布団の中で短刀を隠し持っていたら、あら不思議。ドンピシャで上から忍びが降ってきましたよ。
とはいえ、このままじゃまずいしなぁ。この後はどうするか?
1.助けを呼ぶ → 声出す前におさらば
2.誰か来るまで現状維持 → ここにいるってことは近くの護衛は殺されてるよねorz あと体力限界
3.あきらめる → はい、絶対ダメ!!命は大事に
4.自分で何とかする → 一番まし…かも?
4しかないよねぇ。でも抜け出そうとしたら、反撃くらって即 お・陀・仏 だし。相変わらず忍びの青い眼を見つめたまま私は思案する。
…ん?「青い目」?しかも切れ長の。ははぁ(ニヤリ
瞬間私は首を横にずらしながら、短刀を持っていた右手の力を抜いた。するとどうだろう。忍びのクナイがちょうど顔があったところに突き刺さる。
ここからが本番だ。教わったにわか体術でどこまでいけるか。ひとつでもタイミングがずれれば、反撃を食らってまた天に召されてしまう。私はクナイを握っている方の肩の関節に、思いっきり掌底を叩き込んだ。
「!?がぁっっ!!」
「……ふふ」
(うめき声であっても美しいということは!)
そのままの勢いで忍びを仰向けにさせ、馬乗りになる。両腕の上に私の膝をのっけて、動きを封じた。そして私は彼の顔に巻いてある布をずらして、
-----接吻をした。しかも濃厚な。
お~、驚いてる驚いてる。そりゃこんな状況でこんな事されるとは思わないだろうなぁ。だけど私はやる!ただしイケメンに限る、みたいな!(=^▽^=)
そう忍びはイケメンだった。し・か・もハーフのね。役得vvv
「んむぅ、……っふぁ」
「…ん、ぁむ、…はっ」
「はぁ、…~っ、何しやがる!? 気でも触れたかっ!?」
まぁ、とりあえず今回生き残るためには、この忍びを動揺させて殺意を殺がないことには始まらない。つまり作戦は成功したわけだ。つーか、忍びが色仕掛けで動揺って。いくらなんでもそういった修練は積んでいるでしょうに。でも、ここで逃がしてなんかあげないけどね。私は私の欲求に従う!!笑
忍びが起き上がろうとする前に、もう一度とどめの接吻を。そのまま唇を滑らして耳を食む。肩がはね上がり顔が真っ赤になっているようだが、まだ終わることはない。短刀も首筋に突き付けたまま。
私は唇が触れないギリギリの距離で忍びの顔に近付いて、見つめ囁く。
「ふふ、初々しくていいわね。妾のモノになりなさいな」
上体を起こして、人差し指で忍びの唇をなぞる。そして眼を細めながら、さらに言葉を重ねた。
「そうすれば、
------至高の快楽を教えてあげる」
私を呆然と見上げている忍びの喉がゴクリとなった気がした。
しかし堕ちるかと思った瞬間、眼の輝きが増し、私の人差し指に噛みついた。犬歯で強く噛みつかれたため、指先から血の雫が零れおちる。
「いっつう!? やってくれたわね」
「断る!! 貴様はここで死ぬのだからな!」
痛みで力を緩めため、押し倒されてしまった。つまり、最初の体勢に戻ったわけだ。
忍びは無事な左手にクナイを握って、私目がけて降り下ろす。
「……それはどうでしょうね?」
な、何!?と声を上げるよりも前に、大人数で来ているであろう足音が廊下から響いてきた。異変に気付いた家来たちが、私の元へ駆け付けているのである。あれだけ騒いでいれば気付くのも当然。もしも気付いてなかったらクビにしてやるところだ。
とはいえ間一髪。当初の殺意を殺ぐという目的とは、だいぶかけ離れてしまったけど、時間稼ぎにはなったみたい。あと少しでも遅れてたら確実に殺されていたでしょうし。
『うわっ、死んでる!』
『馬鹿者!! 姫様の安否を気にしろ! 急ぐんだ!』
『『『『了解!』』』』
「このままじゃ確実に捕まるわね。それでもまだ狙う?」
「…チッ。次に会ったら必ず殺してやる」
障子を突き破る前にそう言い残して去っていった。向こう側では、待て!等の怒鳴り声が飛び交う。
私は腰を上げて、あの忍を追いかけようとする家来に指示を出した。
「追いなさい。ただし深追いは許さない」
「しかし、それでは出どころがっ」
「護衛と見回りの者が音もなく殺されているのよ。相当の腕を持っているわ」
いきり立つ家来を諌める。一人一人の眼を見つめながら説得すれば、不満が少しおさまった。しかし、先ほどの私の台詞は、家来たちの腕を信用していないとも取れてしまう。
な・の・で
「それに、そなた達まで失くしたくないの…」
まあこんな感じに使い古されたセリフを言ってみた。
するとあら不思議。みんなジ~ンと感動しちゃってる。私にとっては古いセリフだけど、時代が時代だからねぇ。
「我らのような下々にまで、そのような思いやり…。感服致しました。命尽きるまで、
生島国国主、今清水藍鹿様に変わらない忠誠を誓いまする!!」
先頭の男を皮切りに、次々と膝をついて頭を下げる男達。
さてと、家臣達によってようやく私の正体にまで辿り着いた。んじゃ、自己紹介を始めるわね。
この世界における私の名前と地位は、さっき言われた通り。付け足すなら、「前世」があったくらい。しかも、ご丁寧に今生と同じ名前だったの。死因はおいおいとね。
私は多種多様なすごい能力を持っている訳じゃない。だから駒が欲しい。優秀でも無能でもどちらでもなくとも。使えるならば何でも構わない。
いずれチートキャラはいろんな国を統一する事になるでしょう。あちらにその気が無くとも、高すぎる能力は大小関係なく争いを招く。もうすでに、娘の元許嫁とその派閥によって一波乱が起きることは、確定している。これは密偵による確かな情報だ。
あちらが勝つための戦をするのなら、私は負けないため、そして死なないための戦をするだけ。
でも、基本欲望に忠実だからo(^▽^)o
さっきみたいにww