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破壊者の友情物語  作者: CLOUDZERO310
5/16

破壊者の目的

教室。

ホームルーム中、俺の視界は良かった。

前の席に人がいないからだ。

「ミラネ・ラグフォードは…欠席か?」

「先生、風邪だと連絡を受けています」

適当な報告をすると、教員は眉を寄せて俺を見てきた。

「風邪?…治癒魔導はどうした」

「…僕、様子見てきます」

居場所は分かっている。寮内の俺の部屋だ。

成績優秀で教員連中からも慕われている俺だ。簡単に許可を得ることが出来た。

「んだよ、優等生は特別扱いか?」

伊沢亮牙が頭の後ろで手を組んで、非難の目をむけてくる。

日常生活では手の甲に刻まれている魔法陣を、手袋で隠しているようだ。

「すぐに戻りますよ、伊沢亮牙君」

俺は無理に笑みを作ると教室を出た。

…頬が痛い。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜


薄暗い部屋に足を踏み入れると、使っていないベッドからガサガサと音がした。

「…お目覚めか?」

「…お前…優男、善者面は偽物か…」

「嘘をつかない俺とははじめまして…か?ミラネ・ラグフォード」

ベッドの上には縛られたミラネの姿があった。

縛るといっても紐でではない。物理的な拘束は、ミラネ程の魔導師になれば意味をなさない。

後ろ手で拘束されているミラネ。

彼の両手両足には魔術式によって拘束がかけられている。

何もないように見えるが、魔力が神経伝達を妨害している。

「お前は…誰だ?」

「ガゼット・エルゲロ・レージュスタ・サロ…正式にはもっと長いが、名前を教えるようなヘマを俺がすると思うか?」

名前は高位の魔術師にとっては、自分を殺しかねないほど大切な情報だ。

名前束縛は強い。

「俺を解放しろ。何が目的だ…!」

「目的…ああ、そういえば言っていなかったな。俺の崇高な理念を」

ついでに正式な自己紹介もまだだった。

「思い上がった人間に粛正を与える者。悪魔とでも、吸血鬼とでも、邪神とでも…好きなように呼べ。簡単にいえば破壊者だ」

「…は?」

突飛な話過ぎて理解出来ないのか、ミラネは首を傾げた。

まあそれが当然の反応だろう。

「不安がるな。俺が貴様に求めることは簡単、かつ単純」

「……」

「俺と…友情を育め」

それがこの男を捕まえた理由だった。

自己紹介追記。

ガゼット・エルゲロ・レージュスタ・サロの目的は…、


友情物語を紡ぐことだ。


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