5話:地図はあったが、命の危機も来た
この話もお楽しみいただけたら嬉しいです。
しばらく歩いていると、ようやく道っぽいものが遠くに見えてきた。これは豪運さんが働いてくれたのではなかろうか。道をたどれば人がいるところにたどり着くはず。希望が見えてきたぞ。
「ローファーで舗装されてない道歩くのきっつぅ」
「うるるる”っ」
「ミケさんは私の頭の上で楽っすね」
「オ”ァッ」
頭皮に容赦なく爪を立てられました。とても痛い。
道に向かって歩いていると、途中で草が倒れている場所があることに気付いた。膝くらいまである草がまるっとない空間があるのだ。何があるかわからないので、慎重に歩いていく。
「ッシャー!」
「え、人が倒れてる……?」
鼻につく何かが腐ったような臭い。動物でも死んでいるのかと思ったら、草が倒れているところにあったのは人らしきもの。現代ではゲームでしか見ない、何かの鱗を使って作られた鎧を身につけた誰かが倒れていたのだ。臭いと、人の周りにたかっている虫でなんとなくわかってしまう。この人はもう、手遅れだ。
「なんで、こんなところで人が倒れてるのさ」
周りを見回すと、わかりづらいが大きな何かが通ったような跡が草むらに残っている。何か危険な生き物がここに居たということだ。周りを見回しても、私やミケ以外の生き物は見当たらない。近くにはいない、そう願おう。
「地図、持ってないかな。気は進まないけど、それだけ貰えないかな」
「にゃあ」
「他は盗らないから、地図だけ、町についたら、この人のことをちゃんとしたところに届けよう。だから、許してほしい」
手を合わせて、ごめんなさいと祈る。そして、腰についている袋の中を探らせてもらった。そこにはお金らしい硬貨と、何かのカード。地図もあった。カードには『シルバーランク、ジェイク』と書かれている。この人の身分証なのだろう。
「地図あった! ありがてぇ。ジェイクさん、でいいのかな。すみません、これをお借りします」
「ッシャアアアアア!!」
「うわ、ミケさんどうしたの。急に叫ぶじゃん」
「アァアアアア!!」
急にミケが私の肩の上で叫ぶ。目は鋭く吊り上がり、毛をボサボサに逆立てながら、私の後ろに向かってずっと叫んでいるのだ。
私は嫌な予感がして、ばっと後ろを振り返る。そこには、私とミケをじっと見つめる大きな熊が草むらの中に潜んでいた。
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猫ちゃんのふみふみは時おり爪が刺さりますよね。
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