26話:初報酬
冒険者ギルドに来ました。ランページ・スティードなどの素材を換金するのと、緑子の従魔登録のためですね。ギルドに入った時から私を見てヒソヒソ話す人がいる。召喚士だから、というより緑子を二の腕に張り付けてるからだね。近くを通った女性冒険者が「ヒッ!?」って驚いてたもん。襲いかかったりしないので気にしないでください。
「にゃむにゃむにゃむ」
「髪の毛食べてる? お腹壊すから止めなさい」
後頭部に張り付いてるミケが何か食べてる。髪の毛が引っ張られてるので私の髪を食べてると思う。消化しないし、ばっちぃからやめなさいね。
「お帰りなさい! って、え!? グリーンワーム!」
「よぉ、リズ。素材の換金と、ウラナの従魔登録を頼むぜ」
「グリーンワームと契約したんですか!?」
めっちゃ驚かれてる。そんなに意外ですかね。ポケモンで言う所のキャタピーやビードルみたいなものだと思うんですけど。
「グリーンワームは雑魚の代表格だし、見た目がねぇ」
「テイマーでもテイムする人はいません」
そうなんだ。虫取り少年みたいな感じのテイマーはいないんだね。いないって断言される程度には弱いってことか。緑子に無理はさせられないね。従魔登録はスムーズに済んで、登録証はリボンタイプを選んだ。女の子だから可愛くしたいじゃんね。
「素材はこれだ。買い取りを頼む」
「かしこまりました。……わぁ、ランページ・スティードの肝じゃないですか! しかも立派! これは高値がつきますよ」
「他にも荒革と、脂肪もある。買い取りを頼む」
「脂肪まで!? ちょうど採取依頼が来ていたんですよ。 この依頼を達成したとして、プラス査定しておきますね」
なんというラッキー。プラス査定のおかげで、けっこうなお金が入ってきた。頭の端に『豪運』さんがちらついてくるけど、さすがにこれは君の仕事じゃないでしょう。気のせい、気のせい。
「ほら、ウラナの分だ」
「えっ」
タークスさんは私が採取した分の料金をそのまま渡してきた。プラス査定の分もまるっとだ。
「肝も脂肪もウラナが採取した分だからな! お前の初報酬だ。大事に使えよ」
「俺達の誰よりも初報酬が高額だな」
「よかったわね! 防具の更新もできそうだわ」
肝は希少な品であることと、丸々と太っていたので銀貨3枚。脂肪は銀貨1枚だが、プラス査定で銀貨がもう1枚もらえた。すごい収入である。荒革は1枚あたり銅貨8枚。馬肉はもうちょっと安くて銅貨5枚だ。ヴィンセントさんやキャシー姉さんが剥ぎ取った分を合計しても、銀貨3枚程度。今回の鑑定額の半分以上が私の取り分になったのだ。
「じゃあ、銀貨4枚をチームのお財布に入れます」
「えっ? そんなに入れなくてもいいのよ。チームの財布には依頼達成料から自動で何割か入れてるんだから」
「まぁまぁ」
「まぁまぁって、お前の場合は防具の更新に金をかけた方がいいだろう」
そう。私の弱点は初期値のステータスだ。特にVITが低いおかげで、ちょっとの攻撃ですら致命傷になりえる。しかしだな。
「STR初期値の私が身につけられる防具ってあります?」
「銀貨5枚もあれば買えねぇかな」
「……無理ね。VIT値を補正できる防具はどうしても重くなりがちだわ」
「軽いとなると、上位素材が必要だから、値が張る」
銀貨4枚はチームのお財布に入って行った。銀貨1枚で何か買おう。
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