13話:バックラー加入
「戦えないと冒険者になれませんか?」
「いえ、冒険者ギルドでは採取依頼もあります。討伐依頼よりは報酬が少ないですが、それで生計を立てる人もいますね」
なら、最初のうちは採取依頼で生計を立てよう。神を殺すという目標があるから、力を付けないといけないんだけどね。まずは生きることが先決。戦い方なんて、あとでどうとでもなる。
「あ、ならさ。バックラーに入らないか?」
「へ?」
「にゃあん?」
タークスさんが軽い調子で提案してきた。急なことで私も、頭にしがみついているミケさんも思わず気の抜けた声が出る。
「いや、冒険者ってチームで動いていた方が安全なんだよ。死亡率が違う」
「そうなんですね」
「ウラナのジョブを大声で言っちまったから、他のチームに入るのが難しいだろ」
「まぁ、足手まといみたいなもんですよね。戦闘能力ないですし」
「俺たちのチームは3人で十分戦えるし、護衛依頼を受ける余裕もある。何より、ヘマしたのがリーダーの俺だ」
「そこは胸張って言っていいことなんですかね」
「ウラナさえよければ、バックラーに入れよ。歓迎するぞ」
ニカッと笑ってタークスさんが手を差し伸べてくる。いやいや、確かに大声でジョブを言ったのはタークスさんだけど、それだけで足手まといを増やさなくてもいいじゃないか。
「タークスさん達は全員シルバーランクのベテランです。安心して加入できますよ。新人育成の補助も出ます!」
「いいじゃない。そろそろ同性のチームメンバーが欲しかったのよ」
リズさんもキャサリンさんも賛成なようだ。私としてもありがたいが、迷惑になるのがわかっているのに「お願いします!!」って言うのも抵抗があるんだよ。
「お前は礼儀正しい。俺に対しても、抵抗もなさそうだ。好きにしろ」
「にゃあ!」
「ミケはタークスの意見に賛成なようだぞ」
いつのまにかミケがタークスさんの肩に乗っている。全然気づかなかった。ミケの目を見ると、ゆっくり瞬きをしている。これは、ご厚意に甘えろってことですかね。
「それじゃあ、お言葉に甘えて、お世話になります」
「おう! ようこそ、バックラーへ。歓迎するぞ、新人!」
「ちょっとタークス! ひとりだけミケに触って、ずるいわよ! ミケちゃーん、お姉さんのところにいらっしゃーい」
「不可抗力なんだが!?」
「……うるさい」
キャサリンさんにタークスさんが押しのけられている。ミケはヴィンセントさんと同じ顔で2人を眺めていた。猫の獣人は猫と通じるところがあるらしい。賑やかなようすに、思わず笑ってしまった。優しい人達の仲間に入れて、超ラッキーじゃんね。
お読みいただき、ありがとうございます。
ブックマークや評価、感想など頂けると今後の励みになります。




