11話:冒険者ギルド
「ようこそ、冒険者ギルドへ!」
活気のある声が耳に入る。どこを見ても冒険者らしき人がいて、いろんな装備を身につけている。タークスさんのようなゴリゴリの鎧から、ヴィンセントさんみたいな軽装、キャサリンさんのような格式ばった衣装まで、様々だ。改めて、ここが異世界であることを実感する。コスプレ会場でもこんなにカラフルな衣装は見ないよ。
「珍しいかしら」
「はい。私の世界では、基本的に布の服を着てますからね」
「魔物の素材を使った装備が珍しいのね」
ちらほらと魔物が歩いている様子もある。特定の人の後ろを歩いているから、召喚士ってけっこういるのかも。冒険者として活躍している同じジョブの人がいれば、ちょっと安心だ。
タークスさんとヴィンセントさんは別行動だ。ジェイクさんのご遺体があるからだね。見世物になってもよくないから、裏から入ってくるそうだ。
「ウラナは冒険者になる、ってことで良いのよね?」
「そうですね。身分証も何もないですが、冒険者になれるならなりたいです」
「大丈夫。冒険者はルールさえ守れば誰でもなれるのよ。依頼もいろいろあるしね。ウラナなら大丈夫よ」
付き添いのキャサリンさんが受付へと案内してくれる。
「ハァイ、リズ。ちょっといいかしら」
「おかえりなさい、キャサリンさん! 依頼の件、聞きましたよ。お疲れさまでした」
「ありがとう。新人さんを連れてきたのだけど、登録をお願いしていいかしら?」
「もちろんです! えっと、貴族の方、ですかね」
リズさんが私の服を見て、おずおずと口を開く。なんで貴族って思ったのか、そういえばキャサリンさんが貴族学校で制服を着る文化があるって言ってたな。平民は制服なんてないんだって。服を変えないと貴族と間違われちゃうわよって言われてたっけ。
「ここだけの話、異世界からの流れ人なのよ」
「あっ、そうなんですね。バックラーが保護を?」
「いろんな偶然があってね。依頼目標を見つけてくれたのがこの子なのよ」
「なるほど」
1枚の紙を差し出される。
「こちらが冒険者登録用紙になります。文字は書けますか?」
「た、たぶん」
「試しに書いてみましょう。言葉が異なる場合は、私が代筆してあげるわ」
文字は読めるので多分書けると思う。名前の所にウラナ。年齢は16。性別は女。ジョブは召喚士と書いた。召喚獣を書く欄がないけれど、従魔ってところに書けばいいのかな。
とりあえず、ミケのことは後で聞くことにして、埋められる場所を埋めていく。そんなに書く場所はないので、あっという間に登録用紙を書き終えた。
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