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召喚士なのに前に居る  作者: マナ
1章:異世界

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10/11

10話:はじめての国

10話目を迎えられて嬉しく思います。

この話もお楽しみいただけたら嬉しいです。

 冒険者の国、アルヴェリア。草原から少し歩いたところに、その国はあった。冒険者ギルドの本部を抱える国で、貿易が盛んらしい。住みやすくて良い国だ、とタークスさんは言った。


「壁たっか、……威圧感すご」

「魔物除けの壁よ。ウラナの世界にはなかったの?」

「私のいた世界では魔物なんていませんでしたから」


 こんなでっかい壁が必要なくらい魔物がいるのか。異世界って怖いな。


「キミ、旅行者かな。ギルドカード、もしくは免税証明がないなら、入国税を払ってもらうよ」


 国に入るのにも税金がかかるのか。いかにもファンタジー小説っぽい話だ。しかし困ったな。私は無一文である。税金を払えない。


「すまん! 言っとくの忘れてたわ。入国税って銀貨1枚だったよな」

「そうだよ。タークスが立て替えるのかな?」

「この子はちょっと訳アリでな。保護した手前、助けてやりてぇだろ」

「相変わらずのお人好しだな。キミ、保護したのが小さな盾(バックラー)で良かったな」

「バックラー?」


 初めて聞く単語に首をかしげる。ミケが後頭部から落下しない程度に抑えたんですが、居心地が悪くなって結局怒られた。頭皮に爪を立てるのはやめてください。ハゲてしまいます。


「俺たちのチーム名だよ。小さな盾でバックラー」

「手の届く範囲で人を助けたいっていう願いを込めてるのよ」

「おお、素敵なチーム名ですね」

「でしょ? 私も気に入ってるのよ」


 手の届く範囲で助けたい。素敵な願いだ。私も親友を助けられるように強くなるぞ。

 入国税はタークスさんが支払ってくれた。今は手持ちがないけど、いずれ絶対返すぞ。3人は気にしなくていいって言われたけど、こういうのはしっかりしないと。助けてもらってばかりはダメだからね。


「そういや、猫の入国税ってあるのか?」

「猫にまで税金をかけるほど、この国は貧しくねぇよ」

「だっはっは! 違いない」


 タークスさんが豪快に笑い飛ばす。貧しい国だと猫にも税金をかける場合があるんですか!? 早くミケを養える程度の生活力を身につけなければ。

 ちなみに、3人はギルドカードを守衛さんに見せて素通りしてた。ギルドカードを持っていれば入国税が免除されるらしい。冒険者になれば全員もらえるカードだそうだ。まずは冒険者になるのが目標だなぁ。審査とかってあるんだろうか。

お読みいただき、ありがとうございます。

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