君を信じて
☆登場人物図鑑 No.11
・『レオネルク・ヴェルナパルテ』
リュミストリネ所属/33歳/184cm/81kg/欲『留刃』
リュミストリネ最強と謳われる姫の側近。そのくせして見た目と言動がチャラい。好きなことは姫さんの世話と料理、稽古。苦手なものはラヴァスティの連中とノリの悪い奴、チェス。
欲『留刃』は『自身の放った斬撃をその場に留めておける』というもの。剣を振るだけで『斬撃による攻撃』と『留めた斬撃による罠』と、二段階の攻撃手段を仕掛けられる点が強力。斬撃という概念を留めるので基本的に視覚できない。
欲と結界術を組み合わせた複合式欲『留刃結界』は『留刃の有効範囲を結界範囲にまで拡張し、その中でなら留刃を無際限に適応できる』というぶっ壊れ。尚、発動の際に物体と接している斬撃は有効化されない。
「Heyユー?なぁ〜にしてんのぉ?」
「ッ!!?」
拳を握りしめたフィズのうなじに銃剣を突き立てる見慣れない男。
当のフィズは一先ず静止、シルフィは臨戦態勢をとった。
緊迫する状況の中ただ一人、リグレッドだけは呑気に片腕を上げて男に話しかけたのだった。
「ようルドワール、久しゅうなぁ?まだおふざけできるくらいの元気はあるみたいやな?」
「ふん....やっぱりここに居たねリグレッド....。まさかミーの生まれ故郷で君の顔を拝める日が来るなんてね?もう二度と会わないと決めてたから、ちょっとビックリしちゃったよね☆」
高価そうな装飾品をじゃらじゃらと身に纏ったこの男は『ルドワール』というらしく、リグレッドとは顔見知りのようだった。あまり関係はよろしく無いようでもあるが。
しかし氷戈には、それらを差し置いてでも気になる点が一つあった。
-あの服装....ジェイラやクトラと同じもの....だよな?-
白を基調としたスーツに金色のラインが数本入った特徴的で荘厳なデザインは、正しく彼女らが着ていたものと同じだった。氷戈はこのことから、あれがラヴァスティ陣営の制服だとばかり思い込んでいた。
リグレッドの口調から彼がラヴァスティ側の人間では無いことは窺える。氷戈はこれを単なる思い込みと処理したのだった。
ルドワールはフィズに突きつけた銃剣をカッコつけながら降ろすと、リグレッドへ向かって言った。
「・・・聞いたよ、ユーの僕から。ラヴァスティ急襲を事前に察知し、予め色んな場所に『茈結』の人員を配置。破壊行動や無差別殺人から庶民を守るように手配してくれてたんだって?」
「せやからそのシモベっての辞めぇ言うとるやろ。・・・その様子やと、そっちは上手くいったようやな?」
「はぁ....ボクは全部見透かしてますよ、って?相変わらずだねぇ。・・・けどまぁ、ユーのお仲間さんが庶民共の避難誘導を引き受けてくれたおかげで色々と手間が省けたのは事実さ。ここは素直に礼を言っておくよ、ありがとうね」
この男、口ぶり的にはリュミストリネの人間であり、それも地位や階級が高い方のご身分なのだろう。憎まれ口も様になっている。
リグレッドは取って付けたような礼をサラッと流して続けた。
「そういうんは後にしたほうがエエんちゃうか?姫さんを早よこの国から出さんと取り返しのつかんことになるで?」
「・・・その口ぶりだと、アレについても何か知っているようだね?」
ルドワールは際限無く続く地震の震源地の方を向いて尋ねた。見れば激しい光や爆発の煙などがそこかしこに上がっており、二人の戦闘が激化していることが窺える。
これにリグレッドは、どうしてか不思議そうに答える。
「ん....?まあなぁ....ただ、ああすることが最適解やったとだけ言うとく。そうでもせんと今頃姫さんはヴィルに攫われとった、確実にな。・・・キツイ事言うようやが『純番』をされてまうのとこの国が壊滅するの、どっちを取るべきなのかは自分もよう分かっとるはずや」
これを聞いたルドワールは案の定、冷徹な声色で返した。
「・・・一応、確認しておこうか。攫われるのが確実ってそれは、中でリベルテ様を守っているのがこの国最強の騎士であってもかい?」
対するリグレッドも、刺すような冷たい声色で応じる。
「逆に聞く。ヴィルがそれを想定せんで一国の姫攫いするって、本気で思っとるんか?・・・五年前、あないなことがあったのに?」
「・・・」
それまで飄々とした様子だったルドワールは、リグレッドのこの言葉に押し黙る。
そして数秒の沈黙の末、彼は吹っ切れた様子で頷いた。
「・・・分かったよ、扉を開けよう。どうやって城に入るのかは知らないけどね」
「そりゃおおきに」
「いちいち癪に触る奴だよ、全く....」
ボソッと呟きながらも、ルドワールは門の扉の前に立ち鍵を開けた。
ギィィィィ......
扉はその見た目通り、重苦しい音を立てながらゆっくりと開いていった。
見えるようになった中の光景も凡そ予想通りで、華やかな石畳の道が遠くに見える城の扉にまで一直線に続いていた。これなら境内を抜けて城に入るまではすぐである。
そう思ったフィズとシルフィは門を潜ろうと走り出した。
「ちょっと待ちぃッ!!死んでまうでッ!!」
「ッ!!」「え!?」
リグレッド必死の呼びかけによって二人は立ち止まる。しかし、なぜ止められたのかまでは分かっていない様子だった。
「忘れたんか。この先で姫さんを守っとるんはリュミストリネ最強の騎士、レオネルクご本人様なんやぞ?」
「それがどうしたって言うのさ?」
シルフィは勿体ぶらないで早く教えろと言った様子で問うた。
リグレッドは諭すように話し始める。
「レオネルク・ヴェルナパルテ。・・・奴が最強と呼ばれるんは素の剣捌きは勿論やが、その最たるはやっぱし欲『留刃』に起因する」
「この前、作戦会議の時に言ってたやつだよね?内容は確か『斬撃を宙に留めておける』、だっけ?」
「せや。そして『留刃』の最も恐ろしいところは、効果の及ぶ範囲がとんでもなく広いってことなんや。・・・見たほうが早いな」
いまいちピンときていない一行を見かねたリグレッドは、その辺に落ちていた石ころを拾って門の中へと投げ入れて見せた。
すると__
シャァァ.....
石ころが境内の領域に入った瞬間、跡形も無く切り刻まれてしまったのだ。
「え....」
風に吹かれていく石ころ産の砂塵を見ながら、氷戈は唖然とする。それはフィズやシルフィも同様であった。
「これが容易に入ったらアカン理由や。・・・レオネルクは『留刃』によって撒き散らした無数の斬撃を境内の空間いっぱいに張り巡らしとる、人呼んで『留刃結界』。このエゲツない防衛性能があるからこそ、リュミストリネの精鋭を一人残らず市民救助に向かわせる決断ができた訳やな。・・・ま、ヴィルはそこを逆手に付け込もうとしたんやろうが.....」
シルフィは一人で長々と話すリグレッドに焦りを混じえた声で問う。
「じゃあ....一体どうしようってのさ....?」
「それはやなぁ?・・・ん?」
リグレッドは何かに気づいた様子で門とは反対方向を見る。
そこにはルドワールと同じ制服を纏った人影が十名弱、大通りを通ってこちらに走って来る光景があった。
「ラヴァスティの幹部共が居らんくなったんで、応戦しとった人間が戻って来たようやな?」
呑気に言うリグレッドに対してルドワールが前へ出て言った。
「ことの経緯はミーから伝えよう、その方が効果的だ。・・・それに、彼らが居たところでこの結界はどうしようも無い....何か策があるらしいリグレッド・ホーウィング様にここは委ねるとするよ」
ルドワールはそう言い残して彼らの方へ歩いて行った。
するとリグレッドも門の真ん前で立ち止まり、わざとらしい口調で話し始めたのだった。
「・・・はて、ほんなら〜?・・・氷戈!!ちぃと耳貸しぃ!!」
「んえッ!!?」
氷戈は驚き、息が詰まったような声を出す。
それもそのはず。この先、自分の出れるような幕など微塵も無いと思っていたからである。
氷戈は少し咳き込みながらも言われたがままリグレッドの真隣へ移動し、耳を傾けた。
「え、ええっと....なんでしょうか.....?」
「自分、言うとったな?ボクらの役に立ちたい、って」
「そう....ですね。でもこの状況で俺に出来ることなんてあるんですか...?」
「ある。・・・言ったやろ、自分がキーパーソンになるて。その方法を今から教えたる....」
そうしてリグレッドは氷戈に耳打ちをしようと顔を近づける。
氷戈は内心、「仲間の二人には話せず、さっき会ったばかりの自分には話せることってなんだろう?」と疑問に思いながらも聞く体勢を取る。
そして、その疑問を抱くこと自体が全く意味の無いことであったとすぐに思い知るのだった。
リグレッドは何か話すと見せかけ、笑顔でただ一言。
「ほな!!」
トンっ.....
氷戈の背中を片手で軽く押したのである。
「あ」
力無い声を出す氷戈。
完全に気を抜いていた身体は、軽く押されただけでもその方向へ傾く。転んでしまわないようにと足を出し、反射的に踏ん張るのは当然の原理だった。
例えその先が、一歩でも踏み入れば即ゲームオーバーに陥る場所であっても。
-え....?何が...?-
あまりに突然のことで、氷戈にあれこれ思考する猶予は無かった。
真っ先に過ったのは、たった二つの単語のみ。
『裏切り』と『死』。
-ああ、俺の最期ってこんなもんなのか.....-
そんなことを思いながら、氷戈は自分の足が門より向こうへ出た光景を見届けた。
スタっ....
「・・・え」
「「ッ!!?」」
声を上げたのは、完全に死ぬ予定だった氷戈自身だった。
これを見たフィズとシルフィは驚愕し、当のリグレッドはヘラヘラしながら言ったのだ。
「・・・どないしてん氷戈、そないに真っ青な顔して?」
「あ...え....?」
何が何だか分からない氷戈だったが、事実として自分の半身が門を越え『留刃結界』の領域に立ち入っているのは確かである。
立ち尽くす氷戈に変わってフィズが真意を問うた。
「リ、リグ...?こレはイったい、どウいうことナんだい?」
「どういうも何も、ご覧の通りや。・・・氷戈なら、この『留刃結界』を無視して姫さんを呼んでこれるっちゅうことや」
「・・・ッ!!そレってつマり....」
「・・・それこそが、その子のカーマってことだね....」
フィズとシルフィの言葉にリグレッドは指をパチンッと鳴らして答える。
「ビンゴっ!!ボクが『視た』とこ、その能力は『あらゆるカーマの常時無効化』と_」
「はあァッ!?」
余程驚いたのか、シルフィは解説の最中にその整った顔立ちからはとても想像できないような声を上げる。
「あらゆるカーマの無効化、それも常時だって!?・・・そんなのあり得るの...?」
「・・・実際『留刃結界』はカーマの出力としては最高峰、ほんで虚をつかれた氷戈が自分のカーマを意図して発動しよる暇も無かったはず。・・・今自分が見とる、この光景こそが一番の証明や」
「・・・むぅ」
シルフィが押し黙ったところで、リグレッドは何事も無かったかのように氷戈へ話しかける。
「てな訳や。・・・頼むで、氷戈?」
「え.....ああ」
リグレッドが自分を殺そうとした訳では無い事や自身の持つ力に関しても凡そ分かった氷戈だったが、ただ一つ納得のいかない事があったがために歯切れの悪い返事をした。
当のリグレッドはこれを感じ取ったのか、軽い口調で尋ねてきた。
「何か、言いたいようやな?」
「・・・どうして、騙すようなことしたのさ....?」
恐らく、それすらも見透かしていたのだろう。
満を持した、それでいて至って純粋な声色でリグレッドは言う。
「ほな、もしボクが先に『自分は最強騎士のカーマをも無効に出来るすんごいカーマを持っとるからここで試してみて』言うてたら、それを素直に信じて行けたんかいな?」
「それは....」
「エエか?切羽詰まったこの状況、常に最善策を取り続けなアカン。・・・正直、自分を『留刃結界』の中にブチ込むだけなら、脅したり力づくでやったほうが手っ取り早かったのは確かや。何故それをせんかったのか....」
「・・・」
「単純なことや、それが最善策や無かったから。・・・正しくは『リグレッドという人間への信頼を失墜させ切らず、且つ手っ取り早く自身のカーマの能力について自覚させられる方法』がこれやったんや。・・・そしてボクはこのことを、自分ならば理解してくれると信じた」
「何を言って....」
「まぁ要するに。・・・ボクには、いや、『茈結』には今自分が必要なんや、氷戈」
「ひつ...よう...?」
「そう。・・・もしこっから皆んなして生きて帰って来れた暁には、自分が元の世界に帰るまでの居場所を提供したる。せやから_」
リグレッドは曇り無き眼で言うのだった。
「_氷戈を信じて騙したボクのことを、信じて着いて来て欲しいんや」
「・・・」
-確かに、あのまま何を言われようが俺の足が門より前へ出ることは無かった。幾ら大丈夫だと言われようが、自ら『死』に向かっていく勇気なんて俺には無い。そんなこと、俺自身が一番良く分かってる。・・・それにそもそも、俺を殺す気なら最初から助けになんて入らなければ良かっただけの話だろう-
氷戈は頭に『死』が過ったせいか、いつものような冷静な思考ができなくなっていたようだ。
考えればすぐ分かるようなことだったのにも関わらず、頭ごなしにリグレッドを疑ってしまった氷戈は自責の念を抱いた。
暫しの沈黙の末、氷戈は頭を下げて言った。
「・・・疑ってしまってごめんなさい.....。元よりリグレッドさん達が居なかったら俺は穿々電雷で死んでたんだし、助けてもらった分はちゃんと働きたい....です」
これを聞いたリグレッドは_
「・・・ナッハハハッ!!」
愉快に笑い飛ばすのだった。
思わず氷戈は驚きの声を上げる。
「え....?」
「いや〜、すまんすまん....堪忍してや。・・・やっと敬語なおったと思たらそれやったんでなぁ?」
「・・・?」
「いやぁ、な?ボク、さん付けされるんとか敬語使われるんの苦手やから、初対面の人を取り敢えずキレさせてタメ口きぃて貰うっちゅうことをよくやるんよ?しっかし自分には効かへんなぁ、思てな?」
「・・・」
『そんなに面白いか?』や『エグいコミュニケーションの取り方してるな』など思うことはあったが、とにかく自分が疑ってしまったことに対しては何とも思っていないようだったので胸を撫で下ろす。
この件が一段落したところで、横から痺れを切らしたような咳払いが聞こえるのだった。
「コホンっ....君たちさ、状況分かってんの?」
そう言ってこちらを睨んでいたのはシルフィだった。
「ん?・・・ああ、せやったな。・・・そんな訳やから、頼めるか?」
「・・・はい」
「うん、でエエねんそこは!!」
「う、うん....」
半ば強引に言わせられた氷戈だったが、急がなければならないのも事実のようで。
大地の揺れや聞こえる爆撃音は徐々に大きくなってきており、このままでは立っていられなくなるのも時間の問題だった。
それとは対照的に、リグレッドがイマイチ本気で急いているように見えないのは気のせいだろうか。
氷戈はそんな疑問を抱えつつも、それこそ今考えることでは無いと割り切り、足を前へ動かしたのだった。
城に入るための扉へ向かって。
氷戈は思い切って、その身の全てを『留刃結界』の張り巡らされている境内へと投じた。
「・・・」
やはり何ともない。至って普通の空間である。
それを確認した氷戈は転ばぬように一歩、また一歩と慎重に進んで行く。
「・・・」
何歩進もうが何ともない。何ともないが、また別の感情が氷戈を支配する。
『孤独感』
思い返せば突然とこの世界に来てから、周りに人が居ない場面は無かった。更に広い境内にたった一人の状況。何かあっても助けてくれる人は近くに居らず、自分が如何に無力であるかも知っている。
それらが余計、氷戈の孤独感を煽ったのだ。
-クッソ....独りで居ることだなんて慣れっこのはずなのに、どうしてこんなに怖いんだよ....-
怯えながらではあったが、足を止めることはしない。
それこそ怖い。動いていたい。
心中はどうであれ進み続けた氷戈は、遂に城門の前へと辿り着いたのだった。
「・・・」
-これ....開くのか?鍵とか掛かってるんじゃ....?-
氷戈は助けを求めるかのように振り向いた。
するとリグレッドは察してか「とりま開けてみてやー?」らしきジェスチャーを送り返してきた。
「なんであんなに『とりま開けてみてやー?』のジェスチャー伝わりやすいんだよ....」
呟いた氷戈は前へ向き直り、門の戸へゆっくりと手を掛け、引く。
キィィィ....
意外にも門に錠はされていなかった。
扉は音を立てながらもスムーズに開き、氷戈の目に飛び込んできたのは__
「『留刃』派涛斬!!」
「ッ!?んえッ!?」
どすん!!
突如、詠唱と共に放たれた斬撃は氷戈の首を確と捉えたのだった。
あまりの速度に避ける暇などは無く、何かが急所に飛び込んできた驚きで氷戈は尻餅をつくのだった。
「いっちち.....」
「なんだコイツ....ッ!!」
痛がる氷戈の様子を見た斬撃の術者は、目の前で起こった信じられない現象に戸惑いの様子を見せた。
しかし、それも束の間の事。直ぐに持っていたレイピアの片方を、倒れる氷戈の首元へ刺し向けて言う。
「オレの『留刃結界』や城門に仕掛けた結界を難なく突破して来るんでどんな強者かと思えば、こんな腑抜けたボウズだったとはな?ヴィルハーツの差金にしちゃあ随分と可愛いじゃゴボォッっ!!?」
男は突然、断末魔を叫んだかと思えば次の瞬間には氷戈の視界から消えており_
代わりに映ったのは氷戈より一回りほど幼く見える、華やかな衣装に身を包んだ女児の姿だった。
ここはお城で、助けに来たのがお姫様。
普通に考えれば目の前で自分を見下ろすこの子こそがそのお姫様なのだろうが、氷戈にはどうしてもそうは思えなかった。
何故なら氷戈にレイピアを突き立てた男を背後から蹴り飛ばすという、野蛮極まりない行動をしたのがこの子だったからだ。
何も言わないでも憤った様子の女児は腰に手を当て、前屈みで氷戈に言うのだった。
「ええいっ!!身の程知らずにも己と番おうというのは主かっ!!?この不埒者めがっ!!恥を知らぬか!!」
「い、いや違くって!!俺は君を助けに来ただけ_」
「この後に及び言い訳か、この腰抜けめ!!そんなであるから女を襲おうだなどと卑劣極まる行為しかできぬのだ!!一度襲うと決めたのならとっとと襲え!!もっと根性見せぬか!?」
「え、ええっと....」
意外にも積極的?なお姫様に戸惑いを隠せない氷戈であった。
☆登場人物図鑑 No.12
・『ルドワール・バーネッツ』
リュミストリネ所属/22歳/178cm/73kg/欲『対価』
リュミストリネの女王親衛騎士団に所属するナルシスト。世界で見てもトップクラスの財力を持つ『バーネッツ家』出身だが家出中。好きなことは貯金と散財、金。苦手なものは金で買えないものとバーネッツ家の人間、リグレッド。
欲『対価』は『どのような願望でも、それに見合った金額を支払えば相応の対価が得られる』というもの。例えば「空を飛びたい」という願望に見合った金額を消費すれば、その分だけ空を飛べてしまう。ただし、生き死にに直接関わるような願望はその対象外。