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借金。  作者: アオオニ
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借金②

「ぷひゃー、ここのビールうめぇー」福島がビールの入ったジョッキを半分飲み干しながら焼き鳥を食べている。新人の歓迎会は焼き鳥が美味しいと評判の居酒屋で行われている。確かに美味い。酒を飲んでいる時と美味いものを食っている時は借金のことを忘れられる。

「今日はみなさんありがとうございます。歓迎会なんてしてもらっちゃって。僕、早く仕事覚えてみなさんに迷惑をかけないように頑張ります。」新人の松田が嬉しそうに皆の前で挨拶をしている。松田は、前職で大手IT企業に勤めていたそうだが、上司のパワハラに心身ともにやられてしまい転職を決めたそうだ。もしかしたら、歓迎会を開かれるのも初めてのことなのかもしれない。

「まぁまぁ、そんな固くならずに。仕事なんてな。適当でいいんだよ適当で。」室長の井原が松田の背中を軽く叩きながらビールを美味そうに飲んでいる。

 岡野の職場は、部署ごとに分かれており、岡野の部署は4人チームだ。室長の井原、岡野、福島、そして高野という前任者が居たが、個人的な事情により退職した。その空席となった席に新人の松田が入社してきた。

 井原はとても穏やかな性格で、親しみやすい。周りにも気を利かせてくれ、働きやすい職場にしてくれている。まさに室長に適している。きっと松田にとっても前の職場より働きやすい環境となるに違いない。

「松田くん、趣味とかある?」特に興味はないが聞いてみる。「趣味ですか。趣味っていうか、服が好きで休みの日はおしゃれして出かけて洋服屋さん巡りしてます。」立派な趣味だ。「俺も服好きなんだ。おれも洋服屋さん巡り混ぜてもらっちゃおうかな」

「ぜひお願いします。僕、友達も居なくて。嬉しいです」冗談で言ったつもりだったが、松田はすごく嬉しそうだ。

「そっか。よし、じゃあ決まりで」「やったー。また日程決めましょ」

 松田の言葉を聞いた後に、ハッと現実に戻される。

 あ、おれ金無かった。どうしよう。

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