表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シリーズ 〇〇の話  作者: はやはや
10/10

ナオト君の話

 私は同年代の異性に全くモテないが、なぜかたまに、幼い男児から好意のようなものを、寄せられることがある。その一人がナオト君だ。


 彼が五歳の頃、「どうしても私に渡したい」と言って、くれた物がある。それは名刺大のカードだった。どうやら、とある写真スタジオで、七五三の写真を撮ると、オプションで付いてくる物らしかった。


「あげる」と目を逸らしながら、カードを渡してくれたナオト君の可愛さは今でも思い出せる。

 それだけなら、甘酸っぱい、いい話なのだが、そのカードの写真に私は引っかかっている。


 ナオト君母の話によると、そのスタジオでは、子どもが自由に衣装を選べるという。衣装もめちゃくちゃたくさんあるそうだ。そんな数ある衣装の中から、ナオト君が選んだのは、真っ赤なタキシードだった。

「え? それ……?」と、ナオト君母は思ったらしいが、息子の意思を尊重した。そして次に小道具を選ぶ。数ある小道具の中から、ナオト君が選んだのは、音楽記号の、ヘ音記号に似たステッキだった。

 ナオト君母は、またしても「何でそれ……」と思う。


 いざ撮影。ナオト君は繊細なところがあるので、にっこりとは笑わず写真に収まった。

「なんか、マジシャンみたいになって……」

 ナオト君母は、カードを受け取った私に言った。

 確かに。耳が大きくなるマジックをネタにしている、某マジシャンみたいに見えた。

 そのカードを私は今も大切にしている。

次々といろんな思い出の人を紹介してしまいました……

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ