交渉
「やった、やったぁー!」
「まいったな、クロスにはまだ早いと思って負けるつもりはなかったんだが。」
「男に二言はないよね?」
「あぁ、約束は守ろう。」
クロス兄が狩りについていける様になって良かった。
この流れのままお父さんに俺とも手合わせしてほしいんだけどどうしようかな。
「それで、説明してくれるんでしょうね?」
お母さんの後ろからゴゴゴゴゴという擬音が聞こえてきそうだ。
「すまない、クロスの実力を見極める為に勝手に使わせてもらった。」
「そんなボロボロな状態のおなべの蓋じゃお料理に使えないじゃないの。」
おなべの蓋はクロス兄と手合わせで傷だらけになり持ち手の部分も壊れかかっている。
「帰って来るまでに代わりの物を用意してちょうだいね。」
「分かった、必ず用意する。」
あ、これすぐに手合わせをお願いしないとお父さんがおなべの蓋を探しに行ってしまうな。
「お父さん僕とも手合わせしてほしいな。」
「ライズとか?」
「僕もお父さん達と一緒に狩りについていきたいんだ。」
「お母さんからはお父さんの許可もらえたらいいって言われた。」
お父さんがお母さんと目線を合わせる。
お母さんがうんうんと頷いてる。
「じゃあライズとも手合わせをしようか、お父さんは素手で戦うけどライズに武器はあるのか?」
おなべの蓋はもう使い物にならない判定が出た様だ。
「あるよ、用意してくるからちょっと待っててね。」
こんな時の為にガストさんの所で得た知識を元に用意してた物があるんだ。
家まで取ってこよう。
俺は「とっておきの物」を駆け足で取りに行った。
「お父さん、ライズを侮らない方がいいよ。」
「クロスがそんな事言うなんて珍しいな。」
「ライズは強いよ。」




