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決着
村の広場に戻るとお父さんとクロス兄の手合わせにいつの間にか見物人がたくさん増えていた。
「いいぞー、クロス!そこだー!」
「テオも少しは手加減してやれー!」
俺達は人混みを掻き分けて最前列へ向かった。
「あなた!その手に持ってるぼろぼろの物は何かしら?」
お母さん怒ってる。
「げ、ナナ、これはその…」
明らかに狼狽えるお父さん。
その隙をクロス兄は見逃さなかった。
「余所見してていいの?」
クロス兄の剣がお父さんのおなべの蓋を持つ手を打った。
今のは綺麗に入った。
「いってぇ!!」
思わずおなべの蓋を地面に落とすお父さん。
勝負あったな。
クロス兄の勝ちだ。




