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行商人
翌日、村の広場に人だかりが出来ていた。
「さぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい、街から仕入れてきた商品は早い者勝ちだよ。」
人だかりの真ん中で大きな声を出して人々に声を掛けるのは行商人の人だった。
ガストさんのお手伝いで素材の仕入れ作業をしていた時に何度か見たことがある。
確か名前はマーチャンだったか。
この村にはマーチャンの様な行商人がたまにやってくる。
村では手に入らない物の流通は行商人頼みとなっている。
自分の足で村の外まで買い物をするのは現実的ではないのだ。
未だに村の外に出た事はないが、お父さん達狩人が狩ってくる獣を見ても分かる様にある程度自衛出来ないと危険との事だ。
マーチャンは馬車に乗ってこの村まで移動している。
もっとも、馬車を引いているのは馬ではなく四足歩行の別な生き物だが。
こんなポ〇モンが居てもおかしくないみたいな見た目だ。
頼もしくて強そうな姿をしている。
「今日は珍しい物を仕入れて来たよ!」
考え事をしていたらマーチャンが珍しい物を仕入れてきたと言うではないか。
気になるので俺も近くで見に行ってみるとしよう。




