第一弾お菓子パーティー
入学式1週間前となったある日。
他のお家の財閥の子会社(かなり大きいところ)の創立記念パーティーにお呼ばれされているとかで、お父様もお母様もお兄様方も、つまりわたし以外の家族はみんな留守である。パーティーとかは、初等部に上がってから徐々に出るようになるもので、初等部に入ってもいないわたしは不参加なんだそう。
なにが言いたいのかって?
わたしは家族がいない隙に、お菓子パーティーを開催しようと企んでいるのです!!
どう?このたかが5歳の子供がお菓子パーティーをしようといえば実行できる行動力と経済力!
この間の入学お祝いパーティーの次の日に、「遅くなったけれど、私たちからプレゼントよ」とお父様とお母様から頂いた、綺麗なラッピングがかけられた箱を開けたら出てきた本物の宝石のネックレスと、それに合わせて贈られた、これまた宝石が付いたジュエリーボックスの値段よりも断然と安いと思うけれどね、お菓子の方が!
それに!
食べ物に罪はないわ!
食べ物というのは食べるためにあるから、遠慮しなくていいのよ!(と、この間のフレンチの値段は気にしないようにしている)
もういちいちお金の計算をしてると、悲しくなってくるからね。
午後5時。
ドレスアップした4人の見送りをしたわたしは、そのまま厨房へと向かってお菓子を受け取りに行く。
「料理長!お菓子はできた?」
「晩御飯が食べられ亡くなられると困るので、取り敢えずこれだけです」
そう言って渡された籠の中には、いい匂いを放つクッキーたち。
「美味しそう!やったー!ありがとう!」
そのまま喜びのスキップで自室へ戻った。ひゃっふうー!クッキーだ!
クッキーを食べて、夜ご飯を食べて、デザートにジェラートと梨のゼリーを平らげて、わたしの第一弾のお菓子パーティーは幕を閉じた。
いいね!体重を気にしなくていい子供の体は!食べられる量は少ないけどね。
そういえば、転生してからこれまで、コンビニやスーパーで買うようなスナック菓子だったりチョコレート菓子だったりを食べていない。それどころか、目にしてもいない。
ああ、わたしを待ってるお菓子たち!いつかコンビニに行ってやるからね!
次の日にわたしやお母様のお世話をしてくれるお手伝いの由紀さんにコンビニに連れて行って欲しいと行ったら、即却下された。ポテトチップスなら、料理長に頼んで作ってもらいましょう、って言われた。
違う!
わたしは袋からザパーっとお皿に出してベットにダイブしてボリボリと食べるような、湖○屋やカ○ビーのポテトチップスが食べたいんだよ!
コンビニへ行く夢が一瞬にして消え去った出来事でした。