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それでも彼らは眠らない。  作者: Riviy
第一章 それでも彼らは生きる
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第一話 いつもの日常

初めての方は初めまして!お久しぶりの方はお久しぶりです!読んでくれる事に感謝感激です!今回、キーワードが少ないのには訳がありまして…キーワードを書きすぎるとネタバレになってしまうんです(笑)許してください。


さて、本編を読むに至って注意点があります。物語上、たまに話で暴言などが出てきます。作者は「これ、暴言…?」な感じですが、そういうのが苦手な方はその場面を飛ばす事をオススメします。あらかじめ、前書きに連絡するようにしますが忘れていたらすみません。


それでは、長らくお待たせ?しました。注意点を読み、準備OKの方、宜しくお願いします!読んでくれる事に感謝です!


*暴言(?)注意*




少年は足を組んでふんぞり返っている太めの男性の足元にこうべを垂れて跪いていた。男性は自分に跪く少年を見下ろし、笑みを浮かべる。男性の背後にはこちらも少年を見下ろしてはクスクスと笑う秘書らしき女性がいる。


「それで?お前はノコノコ帰って来たのか?ふざけんなよ!」


ダンッッ!と男性は少年の真横を足で叩いた。少年はそれに臆する事なく、そのままの姿勢を保つ。それが男性には怯えて何も言えないように見えたらしく、鼻で嗤うと愚痴のように彼をなぶった。


「だからお前は、お前らは俺達にこき使われるんだ。まっ、そういう人種だから別にいいか、人間でもないし兵器でもない半端で、不完全で、格下のお前らは 。お前ら全員、半端で使いものにならない。せっかく、俺達が使ってやってるってのに成果一つ上げてきやしない。いつだってこっちは捨てる事ができー」


男性の言葉が止まり、女性の小さな悲鳴としりもちをついた音が響く。男性は冷や汗をたらしながら目に突き刺さるのではないかと思われるほどに顔面すれすれで止められた刃物の切っ先を見ていた。その顔には恐怖が宿り、だんだんと青白くなっていく。刃物を男性に突き刺しているのは先ほどまで跪いていた少年だった。少年の目には凄まじいほどの殺気が宿っている。少年は刃物、短刀を持つ手に力を入れながら、声変わりが終わったばかりの低い声を発した。


「俺の事をとやかく言う事は許す、が、」


チャキ、と切っ先が男性の目に迫り、男性はヒッと情けない声を上げた。


「仲間や家族の事を悪く言う事は許さねぇ。あんた、俺達を見下しているよな?理由まではいいさ。でもな」


少年は短刀の切っ先を男性から離し、踵を返すと扉に向かって歩き出す。男性はまだ目の前に刃物があるかのように動かない。


「あんたら、気をつけた方がいいぜ?俺達は、いつだってあんたらお偉いさん方の首を掻く事ができんだからな」


男性と女性を振り返って少年がいうと2人はすでに恐怖で失神していた。それを見て少年はクスリと笑い、部屋を後にした。


部屋ー客室ーを後にし、自分の部屋、自室へと廊下を進む。


「あーんな事、言っちゃって良かったの?」


そう声が突然聞こえた。少年がピタリと足を止め、声の場所を探っていると少年の前方から逆さまになった青年が現れた。天井にある剥き出しの鉄鋼に片足を引っ掻けているらしく、ゆらゆら左右に揺れ動く。少年は青年を見て、驚く事もなく、肩を竦めた。


「良いだろ。あんなこと言わなきゃ気がすまなかったんだよ」

「まぁあれはねー前回の人よりも酷かったねー」

「だろ?」

「でも、"一応"戦闘能力を持ってない政府に刃物向けたら駄目だと思うよ?」

「いいじゃねぇか。見逃してくれよ。あれは単なる脅しだし。それにああ言っておけば政府も易々と俺達に手ぇ出さねぇだろ?」


少年の言い分に青年はそうか、と納得し、一回転して彼の隣に華麗に着地した。


「でもやりすぎは駄目だからね?」

「へーへー」


クスッと2人は楽しそうに笑いあい、廊下を歩き出した。



西暦2608年。巨大隕石の落下により文明が退化した。その巨大隕石が落下し、世界が混乱に包まれた2年後、突如、異形なバケモノが現れる。その異形な姿がある神に似ていた事から【神穢シンエ】と名付けられたバケモノに世界は苦戦を強いられていた。なにしろ文明の退化により戦車も兵器も使用不可になっていたためだ。戦う術をなくした世界に政府によって希望が持たされた。武器の性質を細胞に組み込んだ戦闘専用人種、【AVANOLSアヴァノリス】を生み出したのだ。彼らは【神穢シンエ】を倒す、人型の武器として政府の命令に従い、今現在もその力で戦っている。



そして此処はその【AVANOLSアヴァノリス】が政府から貰った家である。政府は1ヶ月に一回の割合で此処に報告という名の罵声を浴びせにくる。そのたびに追い返すような態度を取る。【AVANOLSアヴァノリス】は人型をした武器、人間でも兵器でもない人種、と云う認識が世間では強いらしく、格下だと思われ、見下されている。だが彼らは構わない。そう思っている奴にはそう思わせておけばいい。関係ない事なのだから、と気にする様子はほぼない。武器の性質を細胞に組み込んでいるせいか否や、案外彼らは【神穢シンエ】を倒すこの生活に満足している面がある。だが、政府に忠誠を誓っている訳ではない。政府は忠誠を誓っていると思っているが。



自室、生活区域の方へと歩きながら2人は楽しそうに話す。彼らもまた、武器の性質を細胞に組み込んだ戦闘専用人種、【AVANOLSアヴァノリス】である。が見た目はただの人間にしか見えない。


「あ、そうだ。零耶れいや、点検行った方がいいよ?」

「なんでだ?」

「明日、点検係が任務でできなくなっちゃったから今のうちーって」

「なら、大丈夫だ」


少年の言葉に青年はえ?と首を傾げる。青年が何故?と問うと少年は自身の武器である短刀を青年の眼前にかざした。


短刀こいつは俺の手にある限り、切れ味が凄いからな」

「あーそりゃいらないね。預けたら切れ味薄くなっちゃう」

「そう言うこった。俺の"小鶴こづる"は天下一品だからな!」


笑顔で言う少年に青年も嬉しくなって笑顔になる。

AVANOLSアヴァノリス】が使用する武器の大半は自らの体に埋め込まれた武器の性質が由来している。が使用する武器は【AVANOLSアヴァノリス】が自らの目で選び、名を付ける。そうする事によって武器の性質を細胞に組み込んだ自分と選んだ武器が一心同体当然の関係になり、普通の武器よりも力が出るのだ。


「でも、手入れはしてねー」

「わぁかってるぜ、統軌とうき?」


2人はクスッと顔を見合わせて笑いあった。

零耶れいやと呼ばれた少年は藍鉄色のショートで瞳は浅緑色。左耳にのみ勾玉のイヤリングをしている。服は黒めの軍服で上のベストも黒で丈が少し短い。下は膝上までの黒の半ズボン、紺色のニーハイブーツ。腰には短刀をさしている。

たまに軍帽を被っているが気紛れなのか軍帽を被っているのは片手ほどしかない。零耶曰く「似合わない(笑)」らしい。


統軌とうきと呼ばれた青年は桔梗色のショートで少し両のこめかみが長く、瞳は納戸色なんどいろ。服は同じく黒の軍服だが上のベストはロングコートで同じく黒。そのロングコートの真ん中辺りから椿がついた鎖が垂れており、留め具の役目をしている。。下は黒の半ズボン、朱の差し色が入ったヒールの高い黒のブーツを履いている。腰には刀をさしている。


そんな2人は世間話をしながら歩いていく。廊下ですれ違う仲間、友人と挨拶を交わしながら歩く彼らの顔には笑みが溢れていた。


投稿はゆっくりめかな…?

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