第七話『魔王になるには?』
「よし、じゃあ、私達は魔王になることをを目指しましょう!」
こうして、私達チームキマイラの目標が決まったのだった。
とりあえず私達は、ダラダラ過ごすのではなく、魔王を目指すことに決めたのだ。
私達というのは、私ことヤギ。クールイケメン風ことライオン。マイルドイケメン風ことヘビくん、のことだ。三人合わせてキマイラ。
異世界に転生してから、今のところ、三人で力を合わせて?狼とチーターを倒して、私達は全員レベル5になっていた。
「魔王になるのはいいとして、どうしたらいいのかしら?」
と私は疑問に思う。多数決とかで魔王になるわけじゃないわよね?
「レベル上げして、四天王を倒して、そのあと、魔王を倒して、交代してもらう、とかなのかな」
と、マイルド風イケメンのヘビくんが言った。
「それって・・・」
私は凄いことに気がついてしまった。
「勇者に転生した場合とやること一緒じゃない!」
もちろん勇者は魔王になることが目的ではないけど。
異世界に飛ばされて、魔物になっても、勇者になっても、やることは一緒なんだわ。
「立身出世を諦めて、地元で楽しく暮らす。という選択肢を選べば違うのかもしれないけど、強くなって、魔王を目指す。という目的になると、やることは勇者と変わらないんだわ」
「うん、なにか業のようなものを感じるね」
と、ヘビくんは笑った。
「魔王になったら政治活動が待ってるのかもしれないしね」
と、へびくんが続けた。へびくんは異世界小説にも詳しい感じだった。ソシャゲに異世界小説にといろいろ精通してるっぽい。多分人気の動画とかにも詳しいだろう。そして、多分、全然オタクよりじゃない、クラブ?踊る方のあれ。とかにも精通してるのだろう。今の時代にいろんな人と仲良くするのって、多分、そういうことだ。
「NAISEIってやつね!!聞いたことあるわ!」
と私は言う。お兄ちゃんがそういうのがいろいろ好きで、本棚にはぎっしり埋まっている。細かい違いがたくさんあるんだ、といつも説教されのだ。
「結局、根っこで繋がってるのかもしれないわね!」
と、私は思った。
「お前らいったい、何の話をしてるんだ?」
とライオンが気だるそうに言った。
「ごめんごめん、マニアックな話になってきちゃった。最近小説とかだと、異世界ものが流行ってるんだよ、異世界で無双したり、スローライフを楽しんだり、モンスターに転生したり」とヘビ君が言った。
「まったく何を言っているのかわかんねえな!!」
とライオンが言った。
あまりサブカルチャーに手を出さないタイプのようだ。
部活とかを一生懸命やっていたのだろうか?
そこまで思って、詮索すると怒られそうだからやめた。
「勇者だったら、最初に村人にたくさん話を聞く、ということになりそうだけど、モンスターって何をすればいいのかしら」と私は考えた。
「喋れるモンスターを探すとか?」
サブカルチャーに詳しくないライオンが直感的にそう思ったのだろう。
ぼそりと言った。
「それだ!」
「それだ!」
私とへびくんは同意した。