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第四十話『最強』

感心している場合ではなかった。

「ヤバイ、またスキルか!!」


そう、ハシビロコウが光に包まれた。

ハシビロコウは光り出したまま、ダンスを始めた。


「あ、これ動画でみたことある。ハシビロコウってすごく可愛くダンスするのよね?」

そう、普段はじっとしていて動かないのだが、バッと翼を広げたり、翼を腕のように上下に振ってダンスしたりするのだ。

それがとても可愛い。


可愛くて見入っちゃった。


「あ、ヤギっち、それ見ちゃダメ!!」

とへびくんが言い終わった時にはしっかり見終わっていた。

そう、それは見てはいけないものだった。


『混乱 - コンフュージョン』


新たなハシビロコウのスキルだったのだ!

『低速化 - スロウ』に加えて『混乱 - コンフュージョン』をかけてきた。闇スキルのオンパレード!


「うわあぁぁぁぁぁぁ」

私は叫ぶ!

体が言うことをきかなくなる予感がした。

そして、それはしっかり当たった。


「これはまずい・・・」へびくんが言う。


そう、私の歩行がいきなりおかしくなったからだ。

このチームキマイラにおいて、私がいわゆる運転手だから、私が変な運転をすると、みんなに迷惑がかかってしまうのだ。


「あれれ?右に行こうとすると左に言っちゃう!あれれれれ??」

と、私は自分でも何を言っているのかわからなくなってきていた。


しかし、これだけはわかる。

思っている方と反対の方向に進んでしまっているということだ。


「ヤギっち!ストップ!ストップ!」

とへびくんが私を止めた。


「このままだと、みんな酔っちゃう!」

「う、うん。わかった!!」

と私は言う。


そして、止まっている分には勝手に動き出さないようだった。不思議。


「ちょっと作戦会議しよう。幸運な事に、ハシビロコウはあそこからピクリとも動かない」とへびくんが言い。

「そうだな」とライオンも同意した。


「むしろ近づいてきてくれた方がこちらも攻撃できるし助かるくらいだけどね」

とへびくんが言った。

しかし、一向にハシビロコウは動かない。

スキルをかけておいて、とくに攻撃しにくる様子も見えない。

もしや愉快犯??と私が思っていると


「ハシビロコウなめてた!」

とへびくんが言った。


「むしろ最強かもしれない・・・」

とへびくんは更に言う。


「最強?一切攻撃してこないのに??」

「うん。いままではパワー勝負でなんとかなってきたけど、それは僕達がだいたい一撃必殺の攻撃を持ってるからだ」

とへびくんが言う。

「なるほど」とライオンも言う。


「でも、だれか一人、たとえば僕が、混乱して仲間に攻撃したら??」

「ぎゃー!毒で死んじゃう!!」

「そう、僕らの攻撃力は普通に諸刃の剣だったんだ」

とへびくんが分析した。


「つまり、力で押してくる相手より、僕達を操りにくるような敵の方が僕達にとっては強敵なんだ」

そう、私たちの敵は私たちだった。


「このハシビロコウみたいに!」

とヘビくんは言った。

ハシビロコウを強敵と認めたのだった。

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