第十一話『仲間』
「君たち、ちょっと変わってるね?」
そう、一人の妖精さんが話しかけてきた。
「うああぁぁぁぁぁぁ!妖精さんだぁぁぁぁぁぁ、かわいいいいいいいいい!」
私は叫んでいた。妖精さんが目に入った瞬間。
私は、もちろん走りだしていた。
可愛い物をハグするというのは、本能レベルに刻まれていることよね?
「え、なになに?どゆこと?」
と、妖精さんが笑ってひらりと避けた。
抱きしめようとする私をひらりと避けた。
実際の所は突進するヤギをひらりと避けた。
「抱っこしようとしたら避けられた!」
と私は叫んだ!!
そんな理不尽な!!
かわいいものを抱っこできないなんて!!
こんな世界どうかしてる!!
「いや、抱っこする腕ないだろ」
とライオンに突っ込まれた。
はっ!そういえば!!
「あはははは」
と、へびくんは笑っている。
へびくんはどんな状況にも対応できる。
「明らかに普通のキマイラじゃないよね!」
と妖精さんが笑った。
「うん、喋ってるね」と、へびくん。
すこし、間を置いて。
「目標達成だね」と、へびくんは冷静に言った。
「あ、ほんとだ!」
と私がへびくんの言葉でそのことに気がついた。
「ほんとだな。ヤギがうるさすぎて気が付かなかった」
とライオン。
「『うるさすぎる』とは失礼な!ちょっと取り乱しちゃっただけでしょ!!」
ほんとライオンは失礼だわ!!
ほんのちょっと、取り乱しただけじゃない!!
ほんのちょっとだけね!
「ヤギっちはデフォルトで取り乱すからね」
とへびくん、なにげにサラリと言ってくる。
「ああ、そういう『スキル』がついているのか!」
とライオンは、ポンと手をたたいてそうな感じで、でドヤ顔で言ってきた。実際には手はない。
「ぐぬぬ!さっきまで『スキル』もろくに知らなかったのに!!」
イヤミに使ってくるなんて!!
このライオンめ!!
無駄な学習能力を披露するライオン。
「何か用があったんじゃないの?」
と、ふわふわ浮かびながら、妖精くんが笑っていた。
「ああ、そうだったわ!」
すっかり忘れていた。
ここに来た目的をすっかり忘れていた。
このかわいい生き物を抱きしめに来たのかと思っちゃってた。いけないいけない。冷静になりなさい菜々子!
「私達、魔王になりたいんだけど?」
と、私は妖精くんに聞いた。
「単刀直入だな」とライオン。
「ばっさり行ったね」とへびくん。
「へぇ、魔王にね」と妖精くんが微笑んだ。
「魔王になるのは大変だけど、それでもいいの?」
と妖精くんは私達に聞いてきた。
「ああ、暇だしな」とライオン。
「楽しそうだからね」とへびくん。
「なるほどねー」と、ふわふわ浮きながら、私達をじろじろ見る妖精くん。
「よしわかった!」
妖精くんは分かったらしかった。
そして続けた。
「教えてあげるから、僕も連れて行ってよ!」
妖精くんがそう言った。




