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佐伯悠馬の結婚事情(仮)  作者: 雪森蓮


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幕間 「夜/Zoom会議」

zoomでもうるさそう

その夜。


ホテルの部屋。

ノアはベッドに転がっていた。


転がっている場合ではない。

スマホが震える。


『Hamilton Family Zoom』


最悪である。


「……いやだなぁ」


参加ボタンを押した瞬間。

画面が割れた。


最初に映ったのは凛だった。


優しい笑顔。

その笑顔のまま殴る女。


「ノア」


「はい!」


反射で背筋が伸びる。


次。


ジェシカ。

笑顔。

笑顔が怖い。


「こんばんは、ノア」


「母上……!」


次。


エドワード。

紅茶片手。

楽しそう。


「やあ」


「父上……」


次。

拓海。

疲れている。


「なんで俺もいるんだよ……」


「拓海父さんまで……」


次。


カイル。

でかい。

明るい。

笑顔が眩しい。


「よっ、ノア!元気に爆発してる?」


「してない!」


カイルが親指を立てる。


「Amazing」


「褒めるな!」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


凛が淡々と切り出した。


「議題は一つ」


一拍。


「ノア」


「はい!」


「君は今日、何をした?」


「散歩!」


即答。

母上がにこやかに言う。


「散歩で噂が完成するのね?」


「完成してないよ!」


父上が口を挟む。


「いや、完成している」


「してません!」


拓海父さんが呻く。


「お前さぁ……」



凛がスマホを掲げた。


『佐伯氏には隠し子がいるらしい』


ノアの魂が抜けた。


「……早い」


母上が頷く。


「奥様ネットワークは光速よ」


「やめて!」


「やめられないの」


母上は優雅だった。

優雅に恐怖。


ーーーーーーーーーーーーーーー


父上が楽しそうに言った。


「つまりこうだ」


一拍。


「佐伯悠馬にはアメリカで関係があった女性がいて」


「違います!」


「その子供がルイスで」


「違います!」


「表に出せないから」


「違います!」


「妹と契約結婚して」


「違います!」


「伯爵の養子に」


「違います!!」


拓海父さんが頭を抱える。


「全部違うのに筋が通ってるの最悪だな」


カイルが陽気に頷く。


「噂ってそういうもんだよな。完成度だけ高い」


「やめろ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ノアが叫ぶ。


「爆弾扱いひどい!」


凛がにこやかに言う。


「爆弾です」


そして。

殴る。

画面が揺れる。


「痛い!!」


「口が動いている」


母上も頷く。


「爆弾ね」


父上も微笑む。


「爆弾だな」


拓海父さんが呻く。


「爆弾だよ」


カイルが肩をすくめる。


「歩く爆弾」


「軽い!」


ーーーーーーーーーーーーーー


凛が淡々と宣告した。


「ノア」


「はい!」


「明日から」


一拍。


「息だけしていなさい」


「ひどい!」


「爆弾は呼吸だけでいい」


母上がにこやかに付け足す。


「余計なことをすると悠馬が生涯独身でオフィスで死ぬわよ」


「それは嫌だ!」


「なら黙れ」


「はい!」


即答。

即答するな。


ーーーーーーーーーーーーーー


父上が紅茶を飲みながら言った。


「しかし面白い」


「面白くない!」


「佐伯悠馬が」


一拍。


「元夫にランチに誘われたそうだ」


ノアが跳ね起きた。


「え?」


凛の拳が止まる。


「……誰が言った」


母上が微笑む。


「奥様ネットワーク」


「万能すぎる!」


拓海父さんが呟く。


「悠馬、胃が死ぬな」


カイルが陽気に頷く。


「胃薬いるな」


「報告するな!」


ーーーーーーーーーーーーーー


凛が締めた。


「ノア」


「はい!」


「明日は部屋にいろ」


「はい!」


「動くな」


「はい!」


「喋るな」


「はい!」


凛が微笑む。


「破ったら殴る」


「もう殴ってる!!」


「予告」


カイルがにこっと笑う。


「俺も運ぶぞ」


「やめて!」


母上が優しく笑った。


「安心ね」


安心ではない。

爆弾は解除されていなかった。


Zoomだけが終わった。



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


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