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佐伯悠馬の結婚事情(仮)  作者: 雪森蓮


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その44 「夜のガーデンパーティ/厄災上陸」

前書きって何書けばいいのかよくわからなくなっています。

だれかおしえて?


夜の庭は、昼とは別の顔をしていた。


灯りが点々と浮かび、

グラスの縁が静かに光る。


笑い声は柔らかいのに、

空気はどこか張り詰めている。


社交とはそういうものだ。


ーーーーーーーーーーーーーーー


ロッテは参加していた。


だが近寄らない。

声もかけない。


母に釘を刺されたからだ。


(余計なことはしないで)


エレノアの声は優しいのに、

 逆らえない強さがあった。


だからロッテはただ見る。


遠くから。

ウサギ男を。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


佐伯悠馬は壁際にいた。


グラスを持っているだけで、

 今にも逃げそうな顔をしている。


(……弱い)


ロッテは思った。


こんな男が?

母の隣に?


『ありえない』


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


レオンはそれを見ていた。

興味が湧いてしまったのだ。


エレノアが庇う男。

エレノアが「仕事です」と切り捨てた男。


それなのに。

ほんの少し目が楽しそうだった男。


レオンは静かに近づいた。


「佐伯さん」


悠馬が跳ねた。


「……は、はい」


声が裏返りそうになる。


レオンは穏やかに笑う。


「硬くならなくていい」


「いえ、硬くは……」


硬い。

全身が硬い。


「昨夜の商談、助かりました」


「こちらこそ……」


雑談。

ただの雑談。


なのに悠馬は汗をかいている。

レオンは面白いと思った。


威圧しているつもりはない。

だがこの男は最初から怯えている。


まるで捕食者を前にした”草食動物”だ。


ロッテの視線が鋭くなる。


(やっぱり無理)


(ママには合わない)


そう結論づけた瞬間。

庭の入口がざわついた。


社交の空気に混ざらない音。


不自然な足音。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「父上!!」


甲高い声。

ルイスだった。


次の瞬間、夜の静けさが割れた。


ーーーーーーーーーーーーーーー


ロッテは瞬きもしなかった。


視線はその男に向く。


整った顔。余裕の笑み。

子供が飛びつくのも納得の男。


(……なるほど)


そこまでは理解できた。


問題はその隣だ。


壁際で固まっている男。

ウサギのように怯えた目。


母のそばに立つには、あまりに頼りない。

ロッテの中で答えが一つにまとまる。


(隠してるのは、この人じゃない)


(隠してるのは――ママのほうだ)


厄介な予感がした。


そして最悪なのは。

母がほんの少しだけ楽しそうに見えることだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ルイスの後ろ。


満面の笑み。


爆弾。


ノアだった。


「兄さん!奇遇だね!」


奇遇ではない。

確信犯だ。


悠馬は呻いた。


「……厄災が来た」


ノアがにこにこする。


「そんなひどいこと言わないでよ!」


ひどくない。

事実だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


レオンが穏やかに言った。


「ノア、だったね」


「はい!ノア・ハミルトンです!」


ノアは胸を張る。


張るな。

ここで張るな。


エレノアは目を閉じた。


(来てしまった)


仕事ではない。

絶対に仕事ではない。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


夜のガーデンパーティは、

ここからが本番だった。


悠馬の胃を置き去りにして。



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


感想・フォロー等とても励みになります!

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