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佐伯悠馬の結婚事情(仮)  作者: 雪森蓮


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幕間 「絨毯爆撃チーム」

Teamsかなんかなんだろうか…。もちろん悠馬君が入ってるのもあるよね・・たぶん・・

ハミルトン家には連絡網がある。


家族用。

緊急用。

陰謀用。


『悠馬抜き』


そこが重要だ。


悠馬はいつも、

重要なことを最後に知らされる。


胃が痛いのも当然である。


ーーーーーーーーーーーーーーー


その夜。


ドイツのホテル。

ノア・ハミルトンはスマホを握りしめていた。


目が輝いている。

良くない輝きだ。


「ガーデンパーティ……」


呟きが甘い。

完全に祭りの匂いを嗅いでいる。


ルイスがベッドの上で本を読みながら言った。


「父上、それは仕事ですか?」


「仕事だよ」


「父上の顔は仕事の顔ではありません」


「細かいことはいいんだ」


良くない。

非常に良くない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


スマホが震えた。


通知。


【Hamilton Circle(※佐伯悠馬は参加していません)】


ハミルトン家の“家族中枢専用”。

速度だけは軍隊並みだ。

凛からの一文。


【凛:ノア】


【凛:あなた、何をしているの】


ノアはにこにこ打ち返す。


「旅行だけど?」


【凛:ガーデンパーティって何】


「あっ」


勢いで送ってしまった。

最悪のタイミングで。


そして。

最悪の援軍が来た。


【カイル:AMAZING!! Garden party!!】


祭り男。

アメリカ人。

空気を燃料にして踊るタイプ。


凛の返事は一行だった。


【凛:黙れカイル】


カイルは即座に折れた。


【カイル:Sorry!! Amazing!!】


反省していない。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


拓海が刺す。


【拓海:お前ら全員黙れ】


正論。


菜摘が追撃する。


【菜摘:胃薬は持たせましたか】


そこじゃない。


凛が冷たく落とす。


【凛:兄さんに余計なことをするな】


ノアは即答した。


「してない!」


嘘である。


絶対にしている。


最後に。

エドワード。


【エドワード:よし】


よし、じゃない。

何がよしなんだ。


ノアは背筋を伸ばした。

隊長の顔になる。


「……絨毯爆撃を開始します」


誰も許可していない。


ルイスがぽつりと言った。


「父上、動くなと言われていました」


「息だけしてろって言われた」


「していますか?」


「してない」


してない。

絶対してない。


その頃。

悠馬は何も知らない。


いつも通り。

何も知らないまま、

火山の中心に立たされる。


普通に眠りたいと願っている。


そして。

考えないようにしている。


あの男とエレノアさんの距離の意味を。


まだ確証はない。

だから信じない。

信じたくない。


仕事だ。


仕事のはずだ。


……今のところは。



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


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