表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/61

幕間 サプライズの準備

すいません!ぬかしてたのでさしこみますうう

悠馬がドイツへ飛ばされた。


叔父上の即決で。

胃を置き去りにして。


エレノア同伴で。


十日間。


ーーーーーーーーーーーーーー


その報告を聞いた夜。

ハミルトン邸の空気は微妙に重かった。


重いのは胃ではない。

不穏である。


ーーーーーーーーーーーーー


ノアがにこにこして言った。


「兄さん、ドイツなんだってね」


その笑顔が既に信用ならない。


凛が即座に目を細めた。


「……で?」


ノアは首を傾げる。


「で?」


その“で”が怖い。


ーーーーーーーーーーーーーー


ノアは続けた。


「夏休みだしさ」


一拍。


「子供たちも飽きてきてるんだよね」


ルイスが頷く。


「ここ、うるさい」


凛の子供たちが走り回っている。

芝生が死んでいる。

夏だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ノアが手を叩いた。


「だから旅行に行こうと思うんだ!」


沈黙。


一瞬。


全員の脳裏に同じ言葉が浮かぶ。


(やる)


(こいつ、やる)


(絶対、何かやる)


ーーーーーーーーーーーーーーーー


拓海が低い声で言った。


「……どこに」


ノアは満面の笑み。


「サプライズの方がいいよね?(^_−)−☆」


「よくない」


凛が即答した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛が追撃する。


「行き先は?」


ノアは胸を張る。


「大陸方面ダヨ!」


広い。


広すぎる。


それは答えではない。


沈黙。


全員が思う。


(大陸方面……?)


(まさか……)


(いや……)


(流石に……)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


菜摘が静かに言った。


「ノア」


一拍。


「動くなって言いましたよね?」


「うん!」


返事だけは良い。


いつも通りだ。


信用はゼロだ。


ジェシカが微笑んだ。


「子供たちもいるのだし」


一拍。


「大丈夫よね?」


希望的観測である。


拓海がぼそっと呟く。


「大丈夫じゃない気しかしない」


凛が腕を組んだ。


「……まさかね」


言いながら目が冷たい。


自分に言い聞かせている。


エドワード叔父上は紅茶を飲みながら言った。


「釘は刺した」


刺した。


確かに刺した。


だがノアは火薬工場だ。


釘くらいでは止まらない。


止まらないが――


流石に。


流石に本人の目の前までは。


流石に。


その夜。


ノアは自室で嬉々としてパソコンを開いた。


チケットサイト。


人数入力。


大人一名。


子供五名。


「人数多いしね!」


楽しそうである。


最悪である。


行き先。


ドイツ。


そして。


宿泊先。


悠馬の滞在ホテル。


同じ。


スイートの隣。


完璧な包囲。


ノアは満足そうに頷いた。


「サプライズって大事だよね」


火薬工場にガソリンを撒きながら。


ーーーーーーーーーーーーーーー


ハミルトン邸の誰も、

その予約完了メールを知らない。


知っていたら止めた。

止められたかは知らない。


ーーーーーーーーーーーーーー


翌朝。


悠馬はまだ知らない。


自分の胃に、


追加の爆弾が搭載されたことを。





ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


感想・フォロー等とても励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ