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その31 「召集(前半・現状確認)」

家族会議多いなこの家

すみません書き直してあげてます;w;

召集がかかったのは、その日の夕方だった。


場所はハミルトン邸。


理由は言うまでもない。


噂である。

噂という名の火災。

そして火薬工場。


ガソリン担当は、もちろんノアだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


応接間に集まった顔ぶれは最終兵器だった。


エドワード。議長。

ジェシカ。微笑む圧。

拓海。腕を組む毒舌。

菜摘。胃薬の気配。

凛。氷点下の治安維持。

カイル。善意の地雷。

ノア。元凶。


机の上のタブレットには蘭が映っている。


『聞こえる?』


淡々とした声が最終ブレーキだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


エドワードが紅茶を置いた。


「では始めよう」


一拍。


「今回の議題は――佐伯悠馬に関する社内の認識が固定されつつある件だ」


空気が変わった。


拓海が即答する。


「隠し子」


菜摘が続ける。


「後継者教育」


凛が補足する。


「火山」


最後の例えが的確すぎて誰も否定できない。


ノアが縮こまった。


「兄さんにはまだ……」


『聞かせるな』


蘭が即答した。


圧が画面越しでも強い。


ジェシカが穏やかに言う。


「悠馬は噂に強いのではなく、鈍いのよ」


「鈍いというか胃が先に死ぬ」


拓海がぼそっと刺す。


全員が頷いた。


悲しい一致団結である。


最初に動いたのは凛だった。


「で」


一拍。


「誰がガソリン撒いたの?」


視線がノアに刺さる。


逃げ場ゼロ。


「……僕です」


自覚はある。

自覚が遅い。


拓海がため息をつく。


「お前、悠馬を好きなのは分かる」


「はい!」


「好きすぎて爆発させるな」


「……はい」


凛が冷たく言った。


「次やったら殺す」


「土下座します!」


「殺す」


土下座では防げない。


菜摘が静かに釘を刺す。


「ノア。今からあなたに課す条件は一つ」


「条件」


「何もするな」


ノアが固まった。


それが一番難しい。


『喋るな』


蘭が重ねる。


「動くな」


凛が重ねる。


「考えるな」


拓海が重ねる。


「息をするだけにして」


ジェシカが微笑んで締めた。


ノアは震えた。


「……息だけします」


信用はされていない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


エドワードが頷く。


「よし。では現状確認だ」


一拍。


「悠馬は」


全員が一瞬黙った。


肝心の本人はここにいない。


そして本人だけが何も知らない。


「兄さんは多分」


ノアが小声で言う。


「エレノア嬢を好きです」


 凛が即答する。


「自覚はない」


菜摘が頷く。


「鈍いので」


拓海が肩をすくめる。


「胃が優先だからな」


ジェシカが少しだけ柔らかく言った。


「怖いのよ。踏み込むのが」


空気がわずかに静かになった。


「で、エレノア嬢は?」


エドワードが問う。


拓海が即答する。


「可愛いと思ってる」


凛が補足する。


「でもそれ以上はない」


菜摘が現実を足す。


「踏み込まない。大人だから」


ジェシカが微笑む。


「百戦錬磨ですもの」


ノアが小さく呟いた。


「兄さん勝てない」


全員が頷いた。


悲しい。


問題は噂だ。


ノアがルイスを職場に連れ回したせいで、

社内の認識は最終形態に達している。


拓海が淡々と読み上げた。


「佐伯悠馬に隠し子がいる」


「ノアが引き取って育てている」


「妹と結婚したのも兄さんのため」


「後継者教育で職場に常駐」


「嫁探ししてた時期にできた子」


「相手は事情ありで表に出せない」


「火のない所に煙は立たない」


「煙どころか火山」


凛が締める。


「全部ノアのせい」


「すみません!!」


ノアが床に額をつけた。


慣れすぎている。


エドワードが紅茶を飲む。


そして静かに告げた。


「噂は消せん」


一拍。


「ならば管理する」


全員が頷いた。


恐ろしい一致団結だった。



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


感想・フォロー等とても励みになります!

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