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幕間 「夏休みの災害」

凛の子たちは13歳を頭に4人います。子だくさんですね(`・ω・´)

夏休み。


ハミルトン邸は、うるさい。


廊下を走る足音。

笑い声。

誰かが何かを落とす音。


そして。


「ルイス!!」


アメリカ訛りの英語。


凛の子供たちだった。


ーーーーーーーーーーーーー


従兄弟たちは四人。


イーサン。

タイラー。

リリー。

マックス。


全員、よく笑う。


よく喋る。

よく走る。

生命力が強い。


凛に似ている。


つまり強い。


「Come on!」


タイラーが手を引く。


「Let’s go!」


マックスが叫ぶ。


「This way!」


リリーが笑う。


イーサンは少し落ち着いた顔で、まとめ役をしている。


完璧な群れだ。


ーーーーーーーーーー


ルイスは一瞬だけ立ち尽くした。


同じ英語のはずなのに、


速度が違う。

音が違う。

言葉の端が跳ねる。


アメリカの英語は、勢いで押してくる。

イギリスの英語は、少し抑えて流れる。


似ているのに、別物だ。


ーーーーーーーーーーーーーー


「ルイス?」


イーサンが穏やかに呼ぶ。

ルイスはすぐ頷いた。


「……行く」


次の瞬間には足が動く。


性格は父上に似ている。

勢いで飛び込める。


ただ。


飛び込んだあとでふと考える。


(今の、正解だった?)


その一拍が。

悠馬に似ていた。


ーーーーーーーーーーーーーー


庭。


夏の芝生。

噴水。

眩しい光。


従兄弟たちはすぐに遊び始めた。


水をかけ合い、


叫び、

笑い転げる。

夏だ。


健康的すぎる。


ルイスは混ざれる。


ちゃんと混ざれる。


タイラーが水をかけてきたら反撃するし、

マックスが転べば手を伸ばす。

笑うこともできる。


ただ。


ふとした瞬間に戸惑う。


彼は一人息子だった。


伯爵家の子供。

同年代の“群れ”がいない。

屋敷には大人が多く、

子供は自分だけ。


遊び相手は本か、執事か、父上だ。


父上はうるさい。


叔父は静かだ。


極端である。


だから。


四人兄弟という存在が、

それだけで眩しい。


同時に、よく分からない。


「Louis! Faster!」


タイラーが叫ぶ。


「……え?」


ルイスが一瞬止まる。


速い。


発音が跳ねる。

意味は分かるのに、温度が違う。

従兄弟たちは笑う。


悪意はない。

ただ距離が近い。


その時。


「ルイス?」


声がした。


悠馬だった。


珍しく邸にいる。


仕事を放り投げている。

放り投げざるを得ない。


夏休みだから。


「悠馬おじさん」


ルイスはほっとした顔をした。

そしてすぐ飛びついた。


「うわっ」


悠馬は受け止める。


細い腕。

頼りないのに、

なぜか安心する。


悠馬は思った。

この子は混ざれる。


でも。


混ざる前に、一拍考える。

その一拍が、

自分に似ていて胃が痛い。



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


感想・フォロー等とても励みになります!

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