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佐伯悠馬の結婚事情(仮)  作者: 雪森蓮


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その75 「ハミルトン家族会議/噂の処理」

もうすぐ月が替わりますね。気が付いたら今年も誕生日がきていました。悲しいですね。

ハミルトン邸。


屋敷は広い。

広すぎて、


”地獄が同時進行”できる。


ーーーーーーーーーーーーーー


東棟。


静かな廊下に、

低い声が響いていた。


「ノア」


「はい」


「あなたは外出禁止です」


「えっ」


「余計なことも禁止です」


「えっ」


「勝手にバカンスに参加するのも禁止です」


「えっ」


爆弾処理が続いている。


蘭の声は優しい。

優しいが、地獄だ。


ーーーーーーーーーーーーーー


一方。


本館。

応接室。


悠馬は座らされていた。

逃げられない椅子だ。


胃が痛い。


ーーーーーーーーーーーーーー


正面にはエドワード。

優雅に紅茶を飲んでいる。


隣にジェシカ。

静かに微笑んでいる。


そして拓海。

腕を組んで頷いている。


”悪い大人が三人揃っている”


ーーーーーーーーーーーーーーー


ノアと蘭の姿はない。

いるはずがない。

今は別室で爆弾が処理されている。


平和ではない。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


エドワードがカップを置いた。


「で」


一拍。


「息子は元気か?」



悠馬が死んだ。


「……息子ではありません」


「そうか」


即流すな。


「では“息子”は元気か」


修正していない。

悪化している。


ーーーーーーーーーーーーーー


ジェシカが優雅に言う。


「悠馬、顔が青いわ」


「いつもです」


「いつもね」


肯定するな。


ーーーーーーーーーーーーーー


拓海が頷く。


「いつもだな」


「父さんは黙ってください」


悠馬が即座に刺した。


珍しい。


胃が痛い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


エドワードは楽しそうだった。


「噂が広がったそうだな」


「……はい」


「ドイツで完成したらしい」


「……はい」


「輸出したのは誰だ」


「……ノアです」


即答だった。

爆弾は遠くにいても爆弾。


ーーーーーーーーーーーーーーー


東棟のほうから


「やめろ!!!!」


という叫びが聞こえた。

爆弾が元気だ。


ーーーーーーーーーーーーーーー


ジェシカが微笑む。


「蘭は偉いわね」


「はい……」


悠馬は胃を押さえた。


エドワードが淡々と続ける。


「で」


一拍。


「どうする」


悠馬は小さく息を吐いた。


「……僕は」


「女性とそういうことをしたことがない、だろう」


エドワードが先に言った。


「言わなくていい」


「……はい」


言わなくていいのか。


拓海がにやりと笑う。


「悠馬」


「何ですか」


「お前、三十過ぎたから魔法使いになったんだろ」


「父さん黙ってください!!」


社会的に痛い。


胃も痛い。


ーーーーーーーーーーーーーーー


ジェシカが紅茶を置いた。


「噂はね、悠馬」


一拍。


「消すものではなく、管理するものよ」


「管理……」


怖い単語が出た。


エドワードが頷く。


「利用価値がある」


「やめてください」


「ノアは黙らない」


「知ってます」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


東棟からまた声が聞こえる。


「殺して!!!!!!」


爆弾は黙らない。


悠馬はぽつりと言った。


「世界は早いですね」


エドワードが目を細める。


「悠馬は遅い」


「僕は胃が痛いです」


「胃だけか?」


「胃だけです!!」


叫んだ。

叫んだ瞬間、胃が痛い。


エドワードは静かに微笑んだ。


「なら」


一拍。


「伯爵家の噂を整理しろ」


「……はい」


「ついでに」


一拍。


「自分の身辺も整理しろ」


「身辺整理は違う意味に聞こえます!」


ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

こうして。


同じ屋敷の中で、


爆弾は処理され、

噂は育ち、

悠馬は青くなり、


悪い大人は優雅だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


ハミルトン家族会議は終わらない。


胃が痛いまま。



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


感想・フォロー等とても励みになります!

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