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佐伯悠馬の結婚事情(仮)  作者: 雪森蓮


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112/148

幕間 「妻の仕事」

ノアは何度回収されたら気が済むのか

ホテルの廊下は静かだった。


静かすぎて怖い。


昨日までここには爆弾がいた。

いや、いる。


封印されているだけだ。


ーーーーーーーーーーーーーーー


凛が先導する。

その隣を蘭が歩く。


そして。

蘭の手を握っている小さな影。


ルイスだった。

七歳。

礼儀正しく、状況が飲み込めず、しかし空気は読んでいる。

父上が爆弾をやらかした空気を。


ルイスが小声で言う。


「母上……父上は……?」


「あとで回収する」


「回収……」


言葉が怖い。


目的の部屋の前で凛が立ち止まった。


「ここ」


蘭が頷く。


「ありがとう」


礼儀正しい。

礼儀正しいが、優しくはない。


蘭はノックもせずに声を落とす。


「ノア」


中が一瞬沈黙した。

次の瞬間。


「蘭!?!?!?」


爆弾が反応した。


「なんでドイツにいるの!?」


「来たから」


「いや、来たじゃなくて!!」


「来た」


会話が終わる。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


鍵が開く音。


ノアが顔を出す。

髪が乱れている。

目が泳いでいる。

完全に捕虜である。


その視線が下に落ちる。


ルイス。


「ルイス!?!?!?」


「父上」


礼儀正しい。

礼儀正しいが、距離がある。


爆弾の子である。


「蘭、聞いてくれ。これは誤解で――」


「誤解はいい」


蘭は即答だった。


「兄さんが倒れた」


「……白ワインだよ」


「白ワイン?」


「飲むなって言ったのに!」


「言った?」


「兄さんは酒が飲めないんだよ!」


「知ってる」


 知ってるのに止められなかった爆弾。


蘭は一拍置いた。

声が低い。


「あなたは何をしているの」


ノアが反射で背筋を伸ばした。


「兄さんを幸せにしようと――」


「余計なことをするな」


即死。


凛が横で頷く。


「余計なことしかしないのよ、この爆弾」


「爆弾じゃない!」


「爆弾よ」


「爆弾だ」


三方向から確定される。


ルイスが小さく言う。


「父上……」


「ルイスは黙ってて!」


「黙らせるな」


蘭の声がさらに冷える。

蘭はバッグを肩にかけ直した。


「行くよ」


「どこへ」


「回収」


回収。

妻の仕事である。


ノアが小声で言う。


「……僕、死ぬ?」


蘭が微笑んだ。

微笑んだのに怖い。


「今から」


「今から!?」


ーーーーーーーーーーーーー


こうして。


爆弾は妻に連行された。

息子の手を握ったまま。


ドイツの空は今日も澄んでいる。

噂は濁っている。


ノアの寿命は短い。



ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。

相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので

よかったらまた覗いてください。


感想・フォロー等とても励みになります!

ここまで読んでくださってありがとうございます!


『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。

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相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。


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