幕間 「妻、上陸」
まだ幕間が続きます
半日後。
ドイツの空港はいつも通りだった。
人がいて。
音があって。
平和だった。
爆弾さえいなければ。
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到着ゲートが開く。
乗客が流れてくる。
観光客。
ビジネスマン。
家族連れ。
そして。
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ひとり。
空気が違う女がいた。
蘭だった。
表情がない。
声もない。
ただ歩いている。
静かに。
確実に。
処理しに来た足取りで。
迎えに来ていた凛が手を上げた。
「蘭」
「凛」
挨拶はそれだけだった。
友情ではない。
業務連絡である。
蘭は淡々と尋ねた。
「ノアはどこ」
凛が即答する。
「部屋に封印した」
「よし」
よし、ではない。
蘭は一拍置いて続けた。
「兄さんは」
「倒れた」
「……白ワイン?」
「白ワイン」
「よし」
よし、ではない。
凛が小さく息を吐く。
「噂も完成した」
「聞いた」
「最低の形で」
「当然」
当然ではない。
蘭はスーツケースを引きながら言った。
「行こう」
「どこへ」
「ホテル」
一拍。
「爆弾処理」
処理という単語が怖い。
凛が頷く。
「共同作業ね」
「共同作業」
夫婦より連携が取れている。
こうして。
妻は大陸に直接乗り込んだ。
世界は早い。
噂はもっと早い。
そしてノアの寿命は、短かった。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。
結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。
相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。
更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので
よかったらまた覗いてください。
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