幕間 「緊急会議/妻、出動」
凛とノアは割と仲良くやってます。たぶん。
部屋に戻った凛は、
ルイスをソファに座らせ、
ノアを無言で壁際に追いやり、
スマホを取り出した。
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ノアが怯えた。
「……誰に電話するの」
凛が優しく微笑む。
「蘭」
「やめて」
「やる」
拳。
数秒後。
画面が繋がった。
『……凛?』
明るいオフィス
蘭だった。
時差。
アメリカ。
平和。
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凛は一言で言った。
「お前の旦那をなんとかしろ」
『……え?』
「今ドイツ」
『知ってる』
「爆弾が脱走した」
『知ってる』
「噂を輸出した」
『知ってる』
「兄さんが倒れた」
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一拍。
⸻
『……え?』
そこだけ初めて反応した。
「白ワインで」
『なんで飲ませたの!?』
「飲ませてない」
『じゃあなんで!?』
「本人が飲んだ」
『兄さん……』
蘭が額を押さえる。
そばでノアが小声で言う。
「兄さん、かわいいよね」
拳。
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凛は画面に戻った。
「とにかく止めろ」
蘭は黙った。
すっと表情が消えた。
空気が変わる。
凛が一瞬だけ目を細める。
(あ、これ)
(やばい)
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蘭の声が落ちた。
地獄のように静かな声だった。
『わかった』
一拍。
『これからそっち行く』
ノアが固まる。
「えっ」
『半日後に着く』
淡々。
業務連絡。
死刑宣告。
凛が頷く。
「助かる」
『逃げるなよ、ノア』
画面越しに呼ぶ。
声が低い。
妻の本気の声だ。
⸻
ノアが反射で背筋を伸ばした。
「はい!」
反射しかできない。
⸻
『あなた』
『兄さんの胃を殺したら』
一拍。
『私が殺す』
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凛が静かに言った。
「私も殴る」
『共同作業ね』
「共同作業」
姉妹の連携が取れてしまった。
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通話が切れた。
ノアが震えながら呟く。
「蘭、こわい」
凛が微笑む。
「私も怖い」
拳。
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こうして爆弾は一時停止された。
一時停止である。
解除ではない。
妻が来るまで。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。
結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。
相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。
更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので
よかったらまた覗いてください。
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