幕間 「爆弾の行方」
幕間が本編じゃないか説
悠馬はホテルのベッドに寝かされていた。
顔が赤い。
耳まで赤い。
胃が終わっている。
酒が終わっている。
人生が終わっている。
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「……」
エレノアは椅子に座っていた。
淡々と。
冷静に。
付き添いとして。
部下の管理として。
――たぶん。
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「大丈夫ですか、佐伯さん」
返事はない。
ただ眉間に皺が寄っている。
胃が痛い顔だ。
いつも通りだ。
ただし今日は倒れている。
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エレノアは小さく息をついた。
「本当に……噂に弱い方ですね」
違う。
酒だ。
だが訂正する者はいない。
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一方その頃。
廊下。
爆弾が捕獲されていた。
「兄さんを運ぶな」
凛の声は優しい。
優しいが冷たい。
「運びました!」
ノアは元気だ。
「軽々と抱き上げるな」
「兄さんが軽いんだよ!」
「黙れ」
次の瞬間。
鈍い音がした。
鉄拳制裁である。
「痛っ!」
「痛いで済むと思うな」
「愛だよ!」
「殺す」
「はい!」
反射で返事をした。
学習していない。
凛は額を押さえた。
「……全てが噂になる」
「噂は真実の証明だよ」
「違う」
「兄さんは純情なんだ」
「黙れ」
もう一発。
その時。
凛がふと止まった。
「……あれ?」
ノアも止まった。
「ルイスは?」
沈黙。
廊下が静かになる。
爆弾より怖い沈黙。
「……さっきまで僕の隣に」
「お前」
凛の声が低い。
「息子をどこに置いた」
「置いてないよ!?」
「置いてないのが問題だ」
二人の顔が青くなる。
そして遠く。
どこかで礼儀正しい声がした。
「叔父上?」
最悪である。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。
結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。
相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。
更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので
よかったらまた覗いてください。
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