幕間 「夜/ハミルトンZoom会議」
止まれと言って止まれる人はいませんよね。
というかエドワードさん、、ご自身のご子息に・・・
ドイツの夜。
ホテルは静かだった。
爆弾は隔離された。
はずだった。
しかし。
ハミルトン家において、
静けさは嵐の前兆である。
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その頃。
英国。
伯爵家。
深夜。
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画面が一つ、また一つと点灯していく。
オンライン会議。
緊急招集。
議題は一つ。
”ノア”
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『……揃ったな』
低い声。
エドワード。
父上。
冷静。
冷静だが、目が細い。
危険な細さである。
『母上もいるわよ』
ジェシカ。
母上。
笑顔。
笑顔だが、圧がある。
もっと危険である。
『拓海父さんもいるぞー』
拓海。
軽い。
軽いが、強そうだ。
『菜摘母さんです』
菜摘。
落ち着いている。
落ち着いているが、諦めている。
『凛よ』
凛。
無表情。
爆弾処理班。
『……蘭です』
蘭。
寝起き。
すでに機嫌が悪い。
『Amazing…』
カイル。
アメリカン。
黙っていてほしい。
エドワードが淡々と言った。
『状況を報告しろ』
凛が即答する。
『ノアは回収した』
『よし』
父上、即納得。
『部屋に閉じ込めた』
『よし』
『ルイスもこちらで預かっている』
『よし』
完璧な報告。
完璧な処理。
完璧な凛。
蘭が言う。
『でも止まりませんよ』
『止めろ』
父上が言う。
『止まりませんってば!!』
妻が叫ぶ。
拓海が笑った。
『いやぁ、ノア元気だなぁ』
母上の視線が刺さる。
『拓海さん?』
『はい』
拓海、即座に姿勢を正す。
画面越しに正すな。
ジェシカが微笑む。
『元気で済む話ではないわね』
『そうだな』
父上が頷く。
『噂が広がっている』
⸻
菜摘が静かに補足した。
『もう英国側は半分完成してますよ』
『最悪だ』
父上が言った。
『ドイツで補強された』
『最悪です』
蘭が言った。
『ノアが補強した』
『最悪だ!!』
蘭が叫んだ。
拓海が小さく言う。
『あいつさぁ……』
凛が無表情で続ける。
『兄さんが逃げる』
一拍。
全員が静かになる。
議題の核心である。
『兄さんを逃したら終わりだ』
凛が淡々と言った。
『今回エレノアさんを逃したら』
『兄さんは生涯独身でオフィスで死ぬ』
『確定事項だ』
『確定事項って言うな!!!』
蘭が叫んだ。
『でも確定です!』
凛は揺るがない。
ジェシカが優雅に頷く。
『だからこそ』
一拍。
『ノアを止めなさい』
『止めてます!!!』
蘭が叫ぶ。
『息だけしてろって言いました!!!』
『それで?』
『停止しますって言いました!!!』
『それで?』
『絶対止まらない!!!』
蘭、泣きそうである。
カイルが小声で言った。
『Amazing…』
『黙って』
凛。
父上が静かに結論を出した。
『ノアを監視しろ』
『凛』
『はい』
『逃げたら殺せ』
『はい』
『物騒だな!?』
拓海が言う。
『必要だ』
父上は冷静だった。
ジェシカが微笑む。
『兄さんを幸せにするのよ』
『はい』
凛。
『はい……』
蘭。
『……はい』
拓海はため息をついた
会議は終了した。
画面が一つずつ消えていく。
一方その頃。
ドイツのホテル。
鍵の向こう。
爆弾が小声で呟いた。
(停止します)
(停止とは)
(停止しないことだ)
目がきらきらしている。
最悪である。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
『佐伯悠馬の結婚事情(仮)』始まりました。
結婚する気がない男の結婚事情(仮)です。
相変わらず周囲がうるさく、悠馬の胃が忙しいです。
更新はのんびりですが、完結まで書いていく予定なので
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