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語尾なのですの彼女が今日も可愛い件について  作者: 有原優


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第二十一話 小説の感想

「夢葉の小説楽しみだな」

「俊哉君は前見てたから、ある程度は知ってるんじゃないのですか?」

「いやいや、それとはまた素こそ違う感じなんだろ」

「それはそうなのですけど……」


 今日夢葉の小説を一瞬ちらっと見えた。そこに書かれていたのは、所謂サスペンスもの。バスが山から落ちた。その先で、殺人事件が起こっていく。影の下だから、救助も中々来れないまま次々に人が死んでいくと言った感じだった。


 というか、その中のセリフ、「おいおい、こんな影の下で、殺人鬼からどう逃げるんだよ」的なセリフや、「運転手お前が悪いんだろうが」みたいなセリフがあったから分かっただけだが。


「じゃあ、交換し合いながら読むのです」


 その夢葉の言葉に合わせて、俺たちは互いの書いた小説を交換する。


 しかし、今更ながら、


「読まれるの怖いな」


 夢葉の小説に比べたら俺の小説は駄作レベルの小説だ。

 だのに、夢葉に読ませる。

 勿論、夢葉は、俺に対して、こんなくそ作品を私に読ませるなんて、どういうことなのです!!!

 なんていう事は言わないだろう。だが、どうしても恐怖心が出てきてしまう。


「大丈夫なのですよ。俊哉君が何をおびえているのかは分からないのですけど、絶対に駄作なんて言う事なんてあるわけがないのですから。……駄作なんて言うのは、個人の主観なのです。少なくとも今、俊哉君は面白いと思って書いたことでしょう。その時点で駄作じゃないのですよ」

「夢葉……」

「さあ、読み合うのです!!」


 そうして、俺たちは互いの作品を少しずつ読んでいく。


 夢葉の小説。大まかな概要は見たが、そこまで詳しくは見た訳では無い。



 そして、実際に小説を読んだら、かなり面白い、

 小説の世界にあっという間に入り込んでいく。怖いシーンでは怖く、お馬鹿なシーンでは楽しくなる。

さらに、たかが小説の世界なんて考えは一切起きないのだ。全部が現実の出来事のように感じる。


 これの前では俺の小説なんてくそに思える。


 やっぱり夢葉はすごいなあ。

 天才すぎる。


 そして、読み続ける事三十分。夢葉の小説をようやく読み終えた。


「ふう」

「ふふ、どうだったのです?」

「すげえよかった。最高だ」

「それはよかったのです。実はこれは、まだ小説投稿サイトに投稿していない作品なのですよ。だから少しだけ心配だったのですけど、無事、俊哉君のお墨付きを得られたのです」

「それはよかった」


「それで、俊哉君の小説なのですけど」


 俺の小説の話か。緊張するな。

 俺でもわかってるもん。俺の小説が大したことがないって。



「結構面白かったのです。まだまだ甘いところが多かったのですけど、でも書きたいことはちゃんとわかりましたし、何より読んでて楽しかったのです」

「はは、そうか」


 夢葉は面白いと思ってくれているのか。


「夢葉、ありがとう」

「そう言う訳で。……これからもっと私のために書いてほしいのです。俊哉君の小説を」

「分かったよ。お前ほどうまく書けるかどうかは分からないけど、俺も書いてみるよ」

「その域なのです!!!」


 そう言って夢葉は笑った。

 その瞬間ドアがノックされた。


「夢葉お姉ちゃん、少しいい?」


 この声は柚葉だ。

 一体なんだろう。嫌な予感がするが。


「いまみんなでファミレスに行こうって話になってるんだけど、どうかな?」


 そう言えば俺たちご飯がまだだった。

 普通に食べるのを忘れていた。

 というのも、帰宅後、すぐにテストの回答の見せ合いをしたのだ。

 その時に、こいつらが脱ぎ始めたから、夢葉の部屋に言った訳で。


「ぐるるぅ」


 お腹の音がなっている。

柚葉に聞かれたのがムカつく。


「俊哉君もお腹空いてるんだ。ならちょうどいいよね」

「俺は……お前らと一緒に居たくない」

「えー、そんなこと言わないでよ。僕が悲しむよ」

「好きに悲しんでいろ」


 そんな時、夢葉に腕を掴まれた。


「なんだよ」

「これは大丈夫なのです」

「はあ?」

「よくよく考えてみるのです。あの子は結構世間体を大事にしてるのです。なので、ファミレスでは、色仕掛けなんてしないと思うのです」


 という事はつまり、ファミレスではこいつの奇行に警戒する必要がないと。


「しかも、お姉ちゃんも、服を脱がないのです」


 確かにそうだ。外で服を脱いで下着姿になっていたら、警察に捕まってしまう、


「なるほど分かった」


 そう、夢葉にぼそっと返し、


「行こう」


 俺はそう言い放った。




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