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~プロローグ~
自分達はこの国の為に戦っていたはずだ。
だがいざ戦いが終わり周りを見渡してみると愕然とした。
目の前に広がっていたのは、破壊された街。
いや、街とは人々が住むからこそ街と言えるのだ。
ここは街ではない。
地獄だ。
草木も焼かれ、焦げた匂いと死臭が鼻につく。
親をなくした子供の泣き叫ぶ声。
痛さに耐えきれず、断末魔の如く喚く大人たち。
変わり果てた光景を見て、ふとあの男の言葉が蘇る。
「戦争に正義なんて存在しないんだよ」
ならば、あの男は何のために戦ったんだ。