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連絡するかって? しないけど

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

これからも、この先も、きっとそう。

だから決別するんですが。


「卒業したら連絡するかって? しないけど」

「なんでそんな事言うの〜!! 百通は送るから」

「マジうっざ〜」

そんな会話から早数年。此方から連絡を仕掛けた事はただの一度として無い。


携帯端末を片手に相手への連絡を猶予う。画面を開いては閉ざしてを延々と繰り返す。その様を見て、彼の方はそっと囁いた。

「送れば良いじゃないか」

「……そんな簡単な事じゃないですよ……」

大学時代の刹那の間を過ごした友人が居る。思ったことはバッサリ言い放つ子だった。そんな彼女の姿を浮かべながら、私は口を開く。

「『連絡するからね』って言う定型文、卒業前に必ずやるんですよ。だから私も例に漏れず言いました。『卒業後も連絡するよ』って。そうしたら『返事しねーわー』って返ってきました」

『連絡するからね』と言ったところで連絡する事もされる事も無い自然消滅。そんな紛い物の言葉に任せた終わりの言葉を嫌うように、あの子は何時も通りぶった切った。あの子らしい返事だった。

「……多分、連絡したらそれなりに優しくしてくれるんですよ。過ごした面子の中で一番優しい子なんで。その優しさに甘える訳にはいかないんです」

多分あの時の拒絶の言葉は八割ぐらい本心だ。下手な馴れ合いは嫌うところがあった。学校ではつるんでも、共に遊びに行くのは嫌がるところがあった。それでも私達はそんな彼女の一面を拒みながらも何処か受け入れていた。

多分、あの子は私から連絡される事を望んじゃいない。けれども根が優しいから、連絡されたら暫くは付き合ってくれる。嫌な八割を殺してでも。その優しさに甘える訳には行かない。

「色んな意味で、ひねくれてるね。本当は話したいことの一つや二つ、あるだろうに」

そうかも知れない。本質的な意味で似ているから、多分一番懐いたのだとも思う。付かず離れず。必要以上に寄り付かない。これが私達の暗黙の了解だ。

「だからしませんよ。これからも、この先も、きっと」



オマケ

「ついこの間、端末開いたらあの子から投稿がありましてね。最近『お人形さんみたいに綺麗だな』って思ってる人の話でした。いやー世間は狭い」

「その事を話したいんだ」

揶揄う様にそう返された。私よりも一枚も二枚も上手を行く人との会話は、大抵相手に転がされる。それでもその片鱗を見せないように、素知らぬ顔で。

「私は秘密主義なんです。例え相手が私と同じものを好もうが、推そうが、絶対に口にはしませんよ」

「その子もそうだった?」

「私よりはマシでしたよ。片鱗をぽつぽつ落とすくらいのことはしてくれましたから」

あの時気が付かなった私が悪い。もうちょっと良い反応すれば良かったと思う。けれども、そうしたら多分、暴走する。

まぁこの話をしたら、『そういうのマジやめて』と真顔で返ってくると思います。


社交辞令だと思ってます。

『また連絡する』『また遊ぼう』っていうの。

そんな社交辞令と、プライベートでは会いたくないっていう、二段構えの『連絡しないけど』だと思ってます。

でも根が優しいので、声掛けたらそれなりに話してはくれると思います。


その優しさに縋る訳にはいきません。


そんなんだから今までの出会いは過去のものになるのですが。

個人主義の受け身だから決別したって思ってますよ。

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