本が買えない
大型書店の中心で(気持ちだけ)叫ぶ、
「本が買えない!」
①本屋が無い
田舎には本屋が無い。いや、大都市(札幌)だって無くなりつつあるかもしれない。
よく言われることだが本屋、中小規模の書店は少しずつなくなっている。客が少ないのか、大型書店に押されているのか、Amazonにとどめを刺されているのか。地方では顕著で、町村レベルならまともな本屋がある方がニュースになる。
北海道留萌市、当時2万5千人のマチから本屋が消えたのは2010年12月のこと。その7ヶ月後、三省堂を母体とした新たな本屋(留萌ブックセンター)が進出し、ニュースとなった。経緯については検索を。
一方では2015年6月、「なぜだ?!売れない文庫本フェア」「中学生はこれを読め!フェア」など個性的な品揃えで戦っていた札幌市厚別区の「くすみ書房」が閉店、2022年9月には立地条件が良かった札幌弘栄堂書店が3店全店閉店(一時は毎日のように通っていたなあ)と、本屋が消えていっている。私の田舎も唯一の書店が消えて久しいし、隣町のあの店も、高校の時に毎日寄っていたあの店も、みんな消えてしまった。
まあ、消えたのは本屋だけじゃなく、おもちゃ屋もレコード店も小児科も消えたし、北海道では駅もバスターミナルもガソリンスタンドも消えていく。
②絶版になる
発行されてもすぐ絶版になる。マンガなんか、速いよ。
アニメ化して2年くらいで、もう絶版。出版元に無いので取り寄せも効かない。Amazonに無いし何店も回って流通在庫を探すか、中古で買うしかない。
20年くらい続いているシリーズは今の第4部は紙であるけど、第3部までは電子版のみ。ある程度売れているから中古では買えるかもしれないけど、今から新しい読者はつかないかもなあ。
ハヤカワのカタログを見ていたらアン・マキャフリィ作品が2冊しか載ってなくて、つまりは絶版ってことなんだね。歌う船シリーズもパーンの竜騎士シリーズもクリスタルシンガーシリーズも、流通在庫のみなのか。翻訳待ちが8冊くらいあるのに。
③電子書籍はいつまで読める?
ネット上のサービスって、簡単に廃止される。購入した電子書籍がいつまで読めるかは、誰も分からない。
現状、Twitterあたりでさえ突然死を否定できないネット上のサービス、電子書籍だって購入したサイトが御臨終したら再ダウンロードできなくなってしまう。スマホでもパソコンでも、データが飛ぶ時には飛ぶ。メールや成果物が飛ぶのは辛いけど、お気に入りのコンテンツがバックアップされていなくて蒸発することだってある。読まなくなってデバイスから削除しても再ダウンロードが可能なのが電子書籍のウリだったのに、読まないもの持ち歩きたく無いものも(気が変わった時のために)ストレージが消費され続けるのは気分が悪い。
仮にスマホやパソコンなんかが時代遅れのデバイスとなった時、新たなデバイスやアーキテクチャー(攻殻機動隊の電脳とか)が今までの電子書籍サービスをサポートしていなければ、電子書籍は使えなくなってしまう。
すべてのメディアは陳腐化したり置き換えられたりして使えなくなる可能性がある。LカセットもVHDもレーザーディスクもベータマックスも、メディアも機械も共に入手できない。レコードはマニア向け、針の入手はメーカー取り寄せのみ。昔のゲームは対応する本体がないと遊べない。
Macintosh用のCD-ROM絵本もHyperCardのスタックも、OSがClassic MacOSからmacOS-X系列になったら動かなくなった。「もみの木の下で」1枚のためにOS8.5とかOS9のMacを残せないよ。
◎紙の書籍は重いけど、
紙の書籍は重くて引越しのおじさんに嫌われるけど、保管が悪いと痛むし変色するけど、再生デバイスが一体化しているから持ち出したり貸したり布教したりが可能なんだよね。中古で売れるし買えるし。