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私達は、魔法陣が出現する度に、何度も闇の魔法陣を破壊し続けた。
そして時は流れ、私達が中学二年生となった時、二人ともレベルが72となり新たな能力を授かった。
私の新たな能力は【風を操る狸のあやかし】とスキル【女傑LV4】と【召喚MP減少LV4】です。
風を操る狸さんは、名をリコリス・インカルナタにしました。
実は、その花の別名がタヌキノカミソリだったからです。
ですが長いので、インカルナタにしました。
リコリスでも良かったのですが、彼岸花属全般になってしまうのでやめました。
ただ、今回も【あやかしの毛玉】は何も起こりませんでした。
恐らく、高位のあやかしなのだと思う。
女傑は剣士の基本的な能力を持っており、HPを+30、MPを+20し、与えるダメージを1.2倍に出来るので、剣士のスキルを持っていない私には良い能力でした。
他の能力も、色々とレベルが上がっていました。
その中でも【姫の加護LV10】が【姫の聖域LV4】になったことが大きかった。
姫の聖域になると、効果範囲が九州全域まで及び、私達や騎士団だけではなく、戦闘区域に入った人達にも1.32倍の恩恵を受ける事が出来るのです。
薺君は剣鬼LV4と忍者LV4を授かり、向日葵様に陞爵して頂いた事で侯爵となり、騎士団のスキルが強化された。
騎士団の侯爵の能力は、県内にいる親衛隊全てを近衛騎士にし、県から離れる他県ほどレベルが下がる能力にするもの。
スキル剣鬼LV4は剣豪の上位能力で、HPを+150、MPを+50し、与えるダメージを2.4倍にし、1/2の攻撃力で斬撃を飛ばせるようになるそうです。
スキル忍者の能力はレベルが上がるにつれて変化していき、LV4では武器に火と風と氷と地の属性を付与する事が出来るそうです。
そして一ヶ月間、私達は何事もなく平和に学校生活を過ごしていた。
休日に薺君と花ちゃんと一緒に遊びに行く約束をして、朝起きると向日葵様のアプリが急に立ち上がった。
実は改良されて、メッセージカードの代わりに、アプリでやり取りできるようになったのです。
アプリを見てみると、闇の魔法陣が出現しない事に注意するよう書かれていました。
そう言えば、今までは長くとも二週間に一度は闇の魔法陣が出現していました。
ですが、今回は一ヶ月が過ぎています。
私は念の為に、イベリスと姫立金花とインカルナタを召喚した。
この子達は小さいし、普通の人達には見えないので連れて行っても差し支えない。
それに召喚MP減少LV4(40%)のお陰で、MPは54しか消費しませんし、何かあった時も直ぐに対処してくれるので頼もしい子達なのです。
因みに、女傑LV4のHP+30とMP+20を合わせ、最大HPは397、最大MPは381になりました。
何も起こらないように願い、待ち合わせ場所まで歩いて行くと、花ちゃんに加え、欄音ちゃん、百合愛ちゃん、美桜ちゃん、椿来ちゃん達が待っていました。
「撫子ちゃん、こっちだよ」
花ちゃんが、待ち合わせ場所に向かっていると偶然四人と出会ったそうです。
そして暫くすると、薺君と黄楊朝熊君が一緒に歩いてきました。
黄楊君は別の中学校へ行きましたが、親衛隊副隊長です。
「薺君、こっちです」
私に気がつき、二人が走って来ました。
「「姫、遅くなりました」」
薺君も来る途中、黄楊君と偶然出会ったそうです。
今日集まったのは、新しくオープンしたケーキ屋さんの所へ行く為です。
そこにはテラス席が有るようで、花ちゃんがそこで一緒に食べたいそうなのです。
ですが、8人座れる場所が有るかが問題です。
「「「「「「キャー!」」」」」」
皆でお店に向かっていると、急に複数の悲鳴が聞こえて来た。
薺君達と悲鳴のした方へ行ってみると、十体のオーガが人を襲っていた。
襲われていた人達は、為すすべ無く倒れていた。
「騎士団!」
薺君が騎士団のスキルを使用し、皆で手分けしてオーガを倒すと、急に空が光りに覆われた。
向日葵様が、結界を張ったようです。
「私が、回復させます」
倒れていた人達を癒やしの光りで回復し、安全そうな施設に避難するよう伝えた。
「「「キャー!」」」
すると、再び悲鳴が聞こえてきた。
悲鳴が聞こえた場所に向かってみると、十体のオーガと三十名の近衛騎士達が戦っていた。
すると、薺君に気がついた近衛騎士の一人がこちらを向き手を振った。
「親衛隊長、ここは我々に任せて下さい」
「ああ、頼む」
近衛騎士達が優勢だったので、その場を近衛騎士達に任せ、オーガがどこから現れたのか薺君達と一緒に探していると、新たに近衛騎士達が集まって来た。
その数、総勢百名。
薺君の指示を受け、近衛騎士達が部隊を組み捜索する事となった。
手分けして捜索していると、隣の町の近衛騎士が一名来て、同じくオーガが現れたと報告してきた。
隣町の近衛騎士達百名も総動員し、近隣の町も含めた捜査を開始。
捜索していると、更に他の町からも千名以上の近衛騎士達が集まって来た。
総勢千三百名で捜索すると、町と町の丁度中間地点にあたる下水道に、恐らくですが、闇の魔法陣が有ると分かった。
しかし、魔物の発生は隣の県でも起こっていた。
「親衛隊長!」
「もしかして、そちらもか?」
「はい。ご報告します」
隣の県の騎士達が、温泉街の森に魔法陣が有る事を突き止め報告に来たのです。
ただ隣の県の魔物はオークで、この町で出現したオーガよりも弱いという話でした。
ですが魔法陣近くにいる魔物は、今までの傾向からすると、必ず上位種になります。
恐らく、レベル24の騎士団では討伐困難な可能性が高い。
「不味いな、近衛騎士達を半分向かわせるか?」
薺君も、今までの傾向から困難だと判断したようです。
ですが、近衛騎士達はここに残った方が良い。
入り組んでいる下水道の中間地点に魔法陣が有ると言うことは、その両方の町に被害が出る。
つまり、守る為の人数が必要になるのです。
「私が、行きます」
「姫?」
「薺君、心配しないで下さい。私には、心強いあやかし達がいますので」
その為、薺君と黄楊君と花ちゃん達がここに残り私が隣の県に行く事となった。
私はヘイズスターバースト達を召喚し、イベリスと一緒に薺君達を守るよう伝えた。
少しでも、人数が多い方が良いと思ったからです。
ヘイズスターバーストの他に、スケルトングラディエーター達も召喚したので、MPを180使用しました。
ですが、召喚MP減少LV4のお陰でまだMPは201有ります。
空を飛べるブルーローズを召喚すると、MPが150減りましたが残り51有りますし、隣の県まで飛んで行っている間にMPも回復するはず。
因みにヘイズスターバーストとスケルトングラディエーター達は、大きすぎて目立つので、ブルーローズに言って、騎士達以外は認識する事が出来ないよう、不可視化の蒸気を纏ってもらいました。
蒸気の水と光りの屈折を利用するので、普通の人達には見えないそうです。
「姫立金花、インカルナタ、私の肩に乗ってね」
「ギュー!」
「キュウーーン!」
私は姫立金花とインカルナタを肩に乗せ、知らせに来てくれた騎士達を引き連れ、ブルーローズに乗り込むと温泉街の森を目指すことにした。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。




