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 お姉さんの自宅に着いたので、インターホンを鳴らしました。

 するといつものように、お姉さんに付き添う猫さん達の足音が聞こえて来た。



「お姉さん、こんんちは。撫子です」

「撫子ちゃんか、ちと待ってなー」

「はい」



 私が返事をすると、お姉さんは猫さん用の呼び鈴を鳴らしたようで、猫さん達の声と足音が遠ざかっていきました。

 お姉さんが玄関の扉を開けたので、(ナズナ)君と一緒に入ると私は玄関の扉を直ぐに閉めました。


 そして振り返ると、猫さん達が走ってまたこちらにやって来ました。

 いつものように私の足下に来る子もいましたが、今日は(ナズナ)君が人気のようで足下に沢山の猫さんがいました。


 どうやら、(ナズナ)君が気になるようです。

 私は腰を下ろすと、足下に来た子猫さんを撫でてあげます。

 そうすると、新たに子猫さん達がやって来ました。



「撫子ちゃん、その子らに気に入られたんやな。ほんで、春野君はどないしたん?」



 お姉さんは小首を傾け、考えるようにそう言いました。

 落とし物を返したので、(ナズナ)君が来るとは思っていなかったようです。



「はい。今日は、お……お姉さんにお礼を言いに来ました」



 (ナズナ)君は「お」の後に「ば」を付けないよう、耐えたようです。

 私が、何度も()()()()と言い聞かせた甲斐がありました。



「なんやー、気にせんでええのに。立ち話もなんやし、ええから上がって上がって」



 お姉さんは猫さんを引き連れて奥の部屋に行ったので、戯れて来ていた子猫さんの一匹を抱いて立ち上がると、奥の部屋に行くことにしました。

 ですが、猫さん達が足下にいるので慣れていない(ナズナ)君は動けないでいるようです。


 ですので、歩き方を教える為に(ナズナ)君の側に行こうとすると、猫さん用の呼び鈴が鳴りました。

 一斉に猫さん達が走っていったので、私は抱いていた子猫さんを降ろしました。


 ですが、その猫さんは私の足下から離れませんでした。

 奥の部屋に行くと、お姉さんが手招きしています。

 ですが、子猫さんがいるので指を刺しました。



「気にせんでええから」

「はい」



 私はその子猫さんを抱き上げると、(ナズナ)君と一緒に奥の部屋に入りました。

 中に入ると、私はいつものように座って子猫さんを膝の上に乗せました。

 (ナズナ)君は周りを見て、本が沢山有ることに驚いているようです。



「春野君も、適当に座ってなー」

「はい」



 (ナズナ)君が座ると、お姉さんは麦茶とお菓子をテーブルの上に持ってきました。

 すると、(ナズナ)君はスーパーのビニール袋から猫さんが大好きなスティックが10本入ったおやつを取り出しました。

 どうやら、お姉さんのお礼として猫さんのおやつを持ってきていたようです。



「つまらないものですが……」



 (ナズナ)君がそう言って、お姉さんに猫さんのおやつを手渡しました。

 お姉さんは、笑顔で受け取りました。



「春野君、おおきに。でも、今度から気にせんといてなー。あの子ら、見たやろ。気にすると、お小遣い無くなるで」



 確かにお姉さんの言うとおり、猫さん達の分を買おうとすると、数ヶ月分のお小遣いが一瞬にして無くなると思います。



「はい……」



 (ナズナ)君がそう返事をすると、私の膝の上にいた子猫さんが(ナズナ)君の膝の上に乗りました。

 どうやら私の膝は、猫さんのおやつに負けたようです。

 そんな私を見ていた(ナズナ)君は、お姉さんに許可を貰って私に猫さんのおやつを一本くれました。


 私が猫さんのおやつの封を切ると、再び子猫さんが膝の上に戻って来ました。

 猫さんのおやつの人気は、絶大なようです。

 後ろ足で立って、頻りにおやつのお強請りをする猫さんは凄く可愛かったです。

 そんな私と子猫さんの姿を見ていたお姉さんが、急に手を叩きました。



「せやせや、ええもんあるわ。お得意さんに、もろてん」



 お姉さんはそう言うと引き出しから、向日葵の描かれた封筒を持ってきました。

 向日葵のお使い様の、封筒でしょうか? 



「大きな公園の無料チケットやねんけど、色々な施設の無料チケット付きやねん。めっちゃ、お得やろ」



 お姉さんから封筒を受け取ると、裏にいつものスタンプが押してありました。

 ですので、間違いなく向日葵のお使い様からの頂いた物だと分かりました。

 チケットを見せてもらうと、大人と子共合わせて四名まで無料で入場できるようになっていました。


 ですが、私と(ナズナ)君の年齢は初めから無料のようです。

 チケットの有効期限を見ると、来週まででした。

 明日は、学校もお休みです。

 これは、明日行くようにという向日葵のお使い様からのお告げなのだと思います。



「ご両親と行くのが一番ええねんけど、行かれへんかったら、うち付いていくさかい。良かったら、二人とも行けへんか?」



 そう言えば、お父様がママと一緒に明日出かけると仰っていました。

 お姉さんのありがたい申し出に、私は直ぐにママへ連絡を取る事にしました。

 すると、お姉さんと一緒なら良いと言われました。

 (ナズナ)君も、お姉さんが私の知り合いだという事でご両親から許可を貰えたそうです。



「ほな、明日な。ほんで、時間は……せやな、明日の朝8時30分でええかな?」

「「はい」」



 私達はお姉さんと別れると、家へ帰ることにした。



        ※ ◇ ※



 マンションへ帰ってくると、ポストに宅急便の不在票が入っていました。

 そう言えば、雑誌の担当者さんが表紙の服の他にも私に着てもらいたい服を送ると連絡が有ったことを思い出しました。

 ですが、荷物は全て自宅の方へ届けて頂くようお伝えしています。



「どうしたのかな?」



 もしかすると、担当者の方が変わったのでしょうか? 

 不思議に思いつつ、宅急便の自動受付へ連絡し夜に来て頂くようにしました。

 シャワーを済ませ服を着替えて自宅へ行き、ママの相手を十分してからお手伝いさん達へクッキーのお礼を伝えました。


 すると、新しいワンちゃんの型抜きとネコさんの型抜きを頂きました。

 お手伝いさんは、花ちゃんの事も考えてくれていたようです。

 ですので、次回花ちゃんへクッキーを渡すときはお手伝いさんから頂いたワンちゃんの型抜きでしようと思います。


 いつものお稽古をしてから、ママと一緒に食事を済ませると、マンションへ戻ることにしました。

 マンションの玄関に入り、靴を揃えているとインターホンが鳴りました。

 ドアスコープカバーを上げて覗いてみると、宅急便の人でした。


 丁度帰ってきた所だったので、宅急便の方を待たせなくてすんで良かったです。

 判子を付いて荷物を頂き、玄関の入口で早速中を確認すると、雑誌の表紙で着ていた服の他に幾つかの服が入っていました。

 ですが、一番底にお使い様のメッセージカードが有ったのです。



「成る程です」



 自宅へ荷物が届かなかったのは、お使い様のメッセージカードが入っていたからのようです。

 メッセージカードを見てみると「公園指定制服、模擬試験、合否判定、ヒント」と書かれてありました。

 実は遊びに行く服を、どうしようかと内心焦っていました。

 なぜなら、今まで頂いている服はどれもが女の子達の目を引くお洒落なコーデが多いからです。


 しかも最近は、特集としてデートに行くためのお洒落コーデが増えてきています。

 もしティーン雑誌を(ナズナ)君が読んでいたら、そう思われるかもしれないので恥ずかしいのです。

 ですがお使い様から制服で行くよう指示されたので、頭を悩ませなくてよくなりました。

 ……私は、頭の邪念を払いました。



「うちは、あんちゃん一筋やけん。撫子来るまで、待っとってね」



 ただ、模擬試験というのが気になります。

 一体、何をするのでしょうか? 

 試験と言うと、もう少し先ですがスポーツテストが有ります。

 スポーツテストに、関係が有るのでしょうか? 


 それとも、向日葵の下着を制御する模擬試験なのでしょうか? 

 兎に角、明日になってみないと分かりません。

 ですが、合否判定とヒントも気になります。

 これは、模擬試験を合格すればヒントが貰えると言う事でしょうか? 


 今回は、気になる事が多すぎます。

 色々と考えていると、汗をかいてしましました。

 ですので、お風呂に入ってから私はおやすみする事にしました。 

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

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